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社員の「健康」と「成長」を支える経営へ

NTTファイナンスのロゴの前に立つ伊藤 正三代表取締役社長

── 健康経営優良法人2025(ホワイト500)認定をうけた率直な感想

社員とそのご家族の「心」と「からだ」の健康を、企業経営の重要な柱としてきた私たちにとって、健康経営優良法人ホワイト500※の認定は大変意義深いものです。長年の取り組みがこうして形になったことをうれしく思いますし、何より社員一人ひとりが、大きな時代の変化に対応し、自身の健康増進やパフォーマンスの向上に自律的に考え行動していただいた努力の成果だと感じています。ホワイト500の認定はゴールではなく、これからのさらなるステップへの入り口だと捉え、引き続き取り組みを強化していきたいと思います。

※ 経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」で、大規模法人部門に認定された企業のうち、特に優れた上位500社に与えられる称号

当社の健康経営に関する基本的考え方

健康経営がもたらす好循環

──社長就任時は、コロナ禍の真っ只中

私が社長に就任した2021年当時は、社会全体の働き方が大きく変化する中で、コロナ対応もあり、リモートワークが一気に広がりました。柔軟な働き方が可能になる一方で、様々な課題が表面化しており、社員の健康に関する課題もその一つです。具体的には、働く場所や時間の自由度が上がった一方で、“孤独”や“運動不足”といった課題が顕在化しつつありました。
社員一人ひとりが「心身」ともに健康であることは、企業の事業活動においてベースとなるものであり、「心身」の悩みを抱えている社員が少なからずいることは、社員にとっても会社としても、大きな「損失」だと当時考えていました。

── 社長就任後にめざした、社員・組織が主体的に考え「自律」できる風土づくり

そこで、時代の変化を前向きに捉え、新しい時代の働き方や仕事のやり方の方向性などを議論する場として、全社横断の「ニューノーマル推進会議」を立ち上げ、「健康経営」についてもその中の議論テーマの一つとして取組みました。
この会議で大切にしたことは、メンバーが自分の職責だけでなく、一人の幹部として真剣に「議論を尽くす」というスタンスです。
過去の大量生産時代に企業に求められていたものは「効率性」の追求であり、トップダウンで画一的に事業運営することが正しい「答え」でした。
しかしながら、変化の大きな現代社会においては、画一的な答えはなく、多様な価値観を持つ人たちが意見を交わすことが新しい価値をつくるためには、何より重要です。
そのためにも社員一人ひとりが主体的に考え、動ける風土づくりを意識してきました。
この考えに基づいた取組みが「ニューノーマル推進会議」であり、一定の成果を上げることができたのではと考えています。

── 約4,000名の社員、組織全体への浸透

経営においては、先ほども述べたようにトップダウンだけではなく、現場との「対話」を通じたボトムアップを大事にしています。現場の声からヒントを得て改善策を検討し、それをできるだけ迅速にアクションにつなげるようにしています。経営層と社員との距離が近い「開かれた経営」をめざしており、社員からは「気軽に相談できる」「一緒に考えてくれる」という声もいただくようになりました。

パーパスの記載された張り紙の前に立つ伊藤 正三代表取締役社長

── パーパスに込めた思い

この経営方針を加速させるために、2年前に当社パーパスを作りました。パーパスは、「『信用』をチカラに、社会を支え、豊かな未来をつくる」です。そのパーパスを実現し、当社がめざしていく姿、ビジョンとして「NTTグループ 総合決済・財務プラットフォーマー」を掲げ、大切にする「価値観」や「行動指針」として5項目のバリューズ、「誠実」「チャレンジ」「プロフェッショナル」「チーム力」「変革力」を定めました。
「誠実」「チャレンジ」「プロフェッショナル」の3つは一人ひとりの価値観および行動の礎として、「チーム力」と「変革力」の2つは組織としての価値観および行動の礎としています。このパーパスを社内に浸透させていくことが、変化の大きな現代において、持続的に社会に貢献し続ける企業であり続けるためには必要だと考えています。
当社パーパス(https://www.ntt-finance.co.jp/company/purpose/リンクアイコン

とりわけ組織においては、「チーム力」が重要です。「チーム力」とは、多様性を認め合い、“個人×チーム”で「最大限の力」を発揮し続けること。
いかに優れた個人がいても、組織・チーム力がゼロだと成果はゼロになります。成果は「個人」の力と、「チーム」の力の掛け算。これが、NTTファイナンスの文化の核だと考えています。社員個人はスキル・キャリアを磨き、チームリーダーは社員それぞれの力を最大限に引き出せれば、パフォーマンスも向上しますし、困難な状況にも柔軟に対応できるようになります。そんな会社・組織を社員の皆さんと一緒に作っていきたいと日頃から考えています。

伊藤 正三代表取締役社長

── キャリアも健康も自律する社員をサポートする企業へ

企業の大きな役割の一つは、社員が「自律」してスキルを磨き、自らのキャリアを主体的に切り拓いていくための学びや挑戦の機会を提供し、サポートを行うことです。当社の事業は、金融という専門性の高い分野。社員のスキルアップやキャリア形成は、会社にとっても大きな資産です。継続的な研修や能力開発の支援に加え、それらを社員の皆さんの処遇に反映させる仕組みづくりも行ってきました。
社員の健康増進においても、スキルアップやキャリア形成と同じように、社員自らが「自律」して取組めるようサポートすることをめざしています。例えば、当社の健康経営イベントで好評なウォーキングチャレンジなどは、毎回参加者が増えており、2024年度は7割近くの社員が参加しています。

これからも、社員が「心身」ともに健康で、前向きに成長できる環境づくりに取り組んでいきます。健康は、人生とキャリアの土台。そこを支えることが、企業としての私たちの使命だと信じています。また若い方には心身の健康がキャリアや人生の基盤であることを理解してもらいたいです。社員の幸せが企業価値の向上につながる――そんな未来をめざして、社員の皆様と一緒に歩みを進めていきたいと考えています。

健康経営優良法人2025(ホワイト500)認定証
NTTファイナンスのロゴの前で撮影された集合写真