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ENGINE STORY #01

格付を武器に、グループに力を。

NTTグループの資金調達一元化プロジェクト

グループファイナンス。NTTグループの資金ニーズをまるごと支える、重要なミッションだ。グループ全体で資金をスムーズに回すCMS(キャッシュマネジメントシステム)などの仕組みで、各社の挑戦と発展を金融面から支えている。そこに、新たな役目が加わることになった。資金調達一元化プロジェクト。NTTファイナンスが誇る日本最高ランクの格付を、グループの新しい力へ。

SHOHEI MATSUOKA

財務部 グループファイナンス部門
国際総合科学部 卒
2012年4月:
入社。リース事業本部 東北支店に配属。法人営業担当として、宮城県を中心に官公庁や企業に対しリース・ファイナンスの営業活動を実施。
2016年4月:
財務部グループファイナンス部門 グループファイナンス担当(現:国内担当)に異動グループ会社向けの円貨の貸付や余剰資金の預かり業務を担当。グループ会社の預かり金を原資とした短期貸付、NTTファイナンス債を原資にした長期貸付などを実施。

日本最高の、信用力。

長期発行体格付「AAA」(株式会社日本格付研究所/2018年12月27日発表)。これがNTTファイナンスの「信用力」だ。金融会社としては、国内にわずか3社。保険業をのぞけば、1社きりの最高ランクとなる。

高い格付にはさまざまなメリットがある。低利で借り入れができることもそのひとつだ。たとえば、社債の発行。かんたんにいえば「企業が投資家からお金を借りる」こと。投資家は利息を見返りにお金を貸す。だが、信用力の低い企業にはデフォルト、つまりお金を返せなくなるリスクがあり、金利を高くつけなければ投資が集まりにくい。逆に信用力が高いほど、低利でも需要がある。NTTファイナンスはもちろん後者だ。ここに目をつけて始まったプロジェクトがある。NTTファイナンスを窓口とした「NTTグループの資金調達一元化」。

それまでグループ各社は、みずから社債を発行したり、銀行から借り入れたりして、ばらばらに資金を集めていた。かわりに、これからはNTTファイナンスが社債を発行したり、銀行から借り入れをする等して、資金を低利でまとめて調達。あらためてグループ各社に貸し付けるというアイデアである。目的はコスト削減。たとえば、100億円の社債を10年満期で発行したとする。格付のちがいによる金利の差は、ある例を見るとAAAとAAなら0.02%。金額に直すと、期間トータル2,000万円にのぼる。NTTファイナンスならこれが浮く。さらに、グループ各社は作業がなくなる分、稼動も削減できる。このプロジェクトを受け持ったのが、松岡の所属するチームだった。

NTTグループの資金調達一元化

高い外部格付を受けたNTTファイナンスが窓口になることで、低金利でグループ全体の資金調達を行うことができる。

金利設定の試行錯誤。

一元化の方針は決まっていたが、あくまでそれは「号令」だ。実行にあたっての条件は、松岡たちが一から決めていかなければならなかった。とりわけ頭を悩ませたのが、金利の設定だ。NTTファイナンスからグループ会社に貸し付ける際にも、当然ながら金利は発生する。あくまでグループに貢献するための事業なので、もうけるために高く設定する必要はない。とはいえ、人件費や弁護士費用などのコストはまかなわなければならない。あまりに低い金利は、利益供与と見なされるおそれもある。

高すぎず。でも損もせず。そして何より、グループ各社が納得できる金利を。同じグループとはいえ、貸付をする「お客様」である。ほかの金融機関ではなく、NTTファイナンスから借りるメリットがきちんと感じられなければ、うなずいてはもらえない。そもそも今まで自社で金融機関と関係を築き、調達を行っていたグループ各社には、プロジェクトに対する懸念もあった。

最後は、人と人。

松岡たちは、毎日のようにブレストを繰り返した。グループ会社に納得が得られる金利とは何か。部内では出尽くしたと思ったアイデアも、社長にプレゼンをすると新しい着眼点で未熟な部分を指摘され、持ち帰って再検討をすることもしばしばあった。明らかな答えがない分、なかなかまとめられない。方針が固まると、グループ会社を訪問してプレゼンテーションを行い、新しい宿題を持ち帰る。一方で、グループ会社に資金を供給しなければならないリミットも迫る。社内でも決裁を受けなければならない。貸付の金額は100億円にも、500億円にもなる。金額が大きくなるほど決裁レベルは上がる。紆余曲折を経て、金利設定の考え方がまとまったとき、異動してから1年程度が経過していた。

資金調達一元化は、グループ全体にとって重要なプロジェクトだけに、地位も立場もさまざまな人が絡んだ。その全員の合意を取り付けるには、情報収集も、根回しも欠かせない。松岡は入社してからの4年間、営業活動を経験している。その時に培ったコミュニケーション力に、大いに助けられることになった。

松岡のある一日

9:30
始業と同時にメールチェック。
10:00
数値分析をもとに資料作成。各部署へのチェックに回す。
11:00
上司へのプレゼンテーション。
12:00
ランチ。
13:00
グループ会社を訪問しての打ち合わせ。
16:00
帰社。再び資料作成に取りかかる。合間に、上司や各部署との打ち合わせも。
18:00
業務終了。飲み会へ。

重みが、喜び。

2016年に入って、本格的に、このプロジェクトからの貸付がはじまった。2016年度の貸付額は1,250億円。2017年度は、上半期の時点で1,622億円。順調な推移だ。

新聞を開くと、グループ会社による様々な事業活動等の記事を見かける。その活動の原資は、松岡たちが企画し、実行した貸付によるものだ。自分の手がけた案件が、グループの発展を支えている。そればかりか、買収先の何百人、何千人という従業員にも影響している。仕事の重みを実感する瞬間だ。

けれどこの仕組みには、走りながらつくりあげた分、まだまだ未整理な部分も残されている。それをひとつひとつクリアにし、ゆくゆくは経験の浅いメンバーでも回していける仕組みをつくることが、いまの松岡の目標だ。たとえ自分が不在のときでも問題のない体制を整えておきたい。何もチームのためばかりではない。自分自身のためでもある。入社から6年。いまの部署に移ってからはたった2年で、松岡はグループを支える大きなプロジェクトを背負った。次の舞台に立った時、今度はどんなミッションを相手にすることになるか。松岡はそれを楽しみにしながら、少しずつ準備をはじめている。