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ENGINE STORY #07

ものづくりの、力をつくれ。

シンジゲート型リースの組成プロジェクト

企業活動にとって、不可欠なものを貸し出す。そのことによって事業の発展を支えていくのも、リースの大切な役目だ。たとえばメーカーの製造ラインでさえ、NTTファイナンスにとってはリースの対象となる。スケールが大きなプロジェクトだけに、ライバルはふえる。強力な援軍も必要になる。いくつものハードルを乗り越えて、日本のものづくりを支えきることができるか。

TOMOHIKO KOUNO

リース事業本部 法人営業部
文学部 日本語日本文学科 卒
2002年4月:
入社。関東支店に配属。埼玉県の南エリアを中心にグループ企業及び民間企業に対しての営業活動を行う。
2007年4月:
法人営業企画に異動。一般リース事業の事業計画策定と支援並びに各種営業状況結果、各種会議の運営を手がける。
2010年4月:
中国支店へ異動。再びリース営業として、広島県の民間企業及び山口県を担当し、業界を問わない営業活動を行う。
2013年7月:
NTT営業部門へ異動。グループ企業に対して営業を行うとともに、グループ企業の顧客への営業も行う。
2015年6月:
現職である法人営業部へ異動。民間企業の新規開拓及び他社リース会社との協業案件を扱う。

何もない。
ということは、何かある。

「これは何かありそうだ」。ある取引先の動向を見つめながら、香野は直感した。

5年前に、工場設備の「シンジケート型リース」を提供したメーカーだった。案件が大規模で、複数のリース会社が手を組むことをシンジケート型リースという。当時はほかのリース会社が幹事会社(アレンジャー)をつとめ、NTTファイナンスはそこに集まったうちの1社だった。

いま、そのメーカーは新たに設備をふやそうとしている。過去の例から考えれば、今回もリースのニーズが生まれるだろう。ところが、それらしき話が降りてこない。5年前のアレンジャーに尋ねてみても、「依頼は来ていない」という答えが返ってくるだけ。なぜだろう。香野には心当たりがあった。このところ金融機関、特に地方銀行の動きが活発だ。取引を拡大するために、これまでにない低利で企業への融資を持ちかけているのだ。このメーカーにもアプローチがあり、リースではなく融資によって設備を整える話が進んでいるのかもしれない。

だとすれば、見過ごしてはいられない。5年前のリース契約は契約満了を迎える。ここで新たな取引の糸口をつかまなければ、大きなクライアントを失うことになる。

シンジケート型リース

リスク分散と品質向上のために複数のリース会社がシンジケートを組み、アレンジャーと呼ばれる幹事会社が統括する。大規模案件に多い。

金利を推理する。

金融機関の融資額には、上限がある。後先を考えずにめいっぱい借りてしまえば、いざという時に資金調達できなくなってしまう。だからこそ企業は「融資ではなくリースにして、融資枠を温存しておこう」と考える。しかし、リースとは比べものにならないほどの低利で借りられるとなれば、話は別だ。

では地方銀行は、いったいどれほどの低利を提案してきたのか。ストレートにメーカーに尋ねても、あたりまえだが教えてもらえない。そこで推理戦がはじまる。過去の情報や、最近の地銀の動向から金利を予測し、それに対抗できる金利設定をこちらも仕掛けていく。

とはいえ、香野の独断で進めるわけにはいかない。厳しい社内チェックが待っている。「これは矢が飛んでくるだろうな」。香野はちょっと覚悟していた。だが香野の設定した金利は、すんなり稟議を通った。ライバルと互角に競いあうために、必要な条件だと受け入れられたのだ。

アレンジャーへの、
チャレンジャー。

懸念はほかにもあった。ここ2年ばかり、メーカーの業績はあまりよくない。外部格付も引き下げにあっている。「リースを提案してしまって、ほんとうにだいじょうぶなのか」。社内からはそんな声も上がった。

だが、香野は明るい材料をつかんでいた。メーカーの最新決算は黒字に転じる見込みだ。株価は上昇し、外部格付も回復しそうだという話をメーカーの担当者から聞き出している。「やるしかないでしょう」。さらに香野は、リスク回避の手段として再びシンジケートを組むことを決めた。今回はNTTファイナンスがアレンジャーとなる。つまり社内だけではなく、シンジケート各社にまで、この案件の意義や低利の必然性をきちんと説明し、納得してもらわなければならない。

骨の折れる仕事だが、香野は前向きだった。「これをやり抜けば、自分にとってもまたとない経験になる」。自分の成長にまで落とし込んでプロジェクトの意義をとらえたことが、香野の原動力になったのかもしれない。

香野のある一日

9:00
メールチェック。
10:00
アポイントに向けた資料作成や、関連部門との打ち合わせ。その合間に、若手社員からの相談にも乗る。
12:00
昼食
13:00
午前に引き続き、資料作成や事務処理。
15:00
若手が新規開拓したクライアントへ同行営業。その後、既存のクライアント2社を訪問し、帰宅。

どんな業界にも、
提案できる。

香野の提案は、メーカーの心をつかんだ。総額25億円という大規模設備が、シンジケートリースによって動き出すことになったのだ。この成功は、さらに次のプロジェクトにとっても追い風になる。香野はそう確信している。

もうひとつ、うれしいことがある。設備から生み出される部品は、やがて誰もが知る自動車メーカーへと納入される。日本の基幹となる産業を支えられるうれしさ。しかもそれは、ものづくりの世界にとどまらない。金融という事業分野と、NTTグループというバックボーン。それが掛け合わされて、あらゆる業界を支えていく力になる。

その証拠に、香野が所属する新規開拓チームには、提案先となる業界の縛りがない。チャンスがあれば、どこにでも。その大きな可能性にちょっとプレッシャーも感じつつ、香野は新しい提案への準備をはじめている。