ENGINE STORY #10

40億円の前例をつくれ。

大手企業向け「保証」プロジェクト

金融というテーマのもと、多岐にわたって事業を展開するNTTファイナンス。これまでに蓄積された事例の数々は、精度の高い提案を行うための心強い道標だ。だが時には、ほとんど前例のない依頼にぶつかることもある。その難しさを、ハードルととらえるか、チャンスだと思うか。入社4年目の平川が、「保証」というレアケースに挑む。

RIKO HIRAKAWA

ファイナンス営業部門
経営学部 公共経営学科 卒
2014年4月
入社。東海支店に配属。法人企業に対してリース営業を行う。
2016年4月
ファイナンス営業部門に異動。法人企業に対し、ファイナンス商品の提案営業を行う。

働きやすさは、
顔に出る。

就活時。平川は、ふたつの内定の間で迷った。

一社はメーカー。もう一社はNTTファイナンス。最終的にはNTTファイナンスに決めたのだが、その理由は「モノがないこと」だった。メーカーの製品のようには、手に取れるカタチを持たないサービス。だからこそ、自分自身を売り込むような仕事ができるのではないかと考えた。

もうひとつの理由は、女性の働きやすさだ。面接に挑む前、平川はNTTファイナンスの女性社員に会って話を聞いた。出産や育児のための休暇がとりやすく、そのあとにも復帰しやすい仕組みがそろっている。制度の充実はもちろん魅力的だったが、さらに強く印象に残ったのは、目の前にいる女性社員のいきいきとした様子だった。就活で入れる会社はたったひとつ。せっかくなら長く働ける場所を選んで、じっくり力をつけていきたい。女性社員の明るい表情を見ていると、ここならそれが叶いそうだという予感がした。

最初に配属されたのは法人向けのリース営業。次に、同じく法人向けのファイナンス営業へ。そして入社3年目の終わりごろ。平川はNTTファイナンスにとって、前代未聞といえるプロジェクトを手がけることになる。

40億円の保証。

プロジェクトは、金融機関からの相談ではじまった。

その金融機関は、国内のとある大手企業から支払い委託の依頼を受けていた。支払い委託とは、ざっくり言ってしまえば立替払いのことだが、その額、じつに50億円。しかし、取組額の上限をすでに超えてしまっているため、このままでは引き受けることができない。そこで、NTTファイナンスに保証をつけてもらえないかという話だった。

個人の買い物でも、金額が大きくなると保証人が必要なことがある。もしも本人が支払えなくなったら、保証人がかわりに背負う。基本的な仕組みはそれと同じで、企業が返済できない場合、NTTファイナンスが補てんすることになる。金融機関が希望したNTTファイナンスの引き受け額は40億円。これほどの規模を保証できる規模の会社はほとんどないため、白羽の矢が立ったのだ。

もともとNTTファイナンスは、依頼主の金融機関とも、大手企業とも取引があった。しかもその企業は、売上高一兆円という超優良。たしかに保証額は大きいが、リスクはそこまでではなさそうだ。問題は「保証」というサービスの経験が、NTTファイナンスにほとんどないことだった。

保証の仕組み

前例がなければ、前例になれ。

過去を探ると、たった一件だけ実績が見つかった。ただ、ベースにできるようなノウハウ化には至っていない。つまり、ほぼゼロからすべてをはじめなければならない。それでもこのプロジェクトを引き受けることになったのは、まさに「前例がないから」だ。今回の案件を成功させれば、それが前例になり、ノウハウになる。他部所への水平展開もできるし、金融機関へのアピールにもなる。そもそも、業界的に見ても保証案件はめったになく、だからこそNTTファイナンスが第一人者になれるチャンスがある。

それにしても、壁は多かった。契約書のフォーマットはどうつくればいいのか。金利はどう決めればいいのか。この取り組みは、NTTファイナンスの有価証券報告書にどう記載されるのか。新たなスキームを、社内の各部門にどう説明すればわかってもらえるのか。

「これ、できるのかな」。途方に暮れかけた平川だったが、悩んでいる時間さえ惜しい。実施までの猶予は半年しかない。平川は毎日のように部門長や課長をつかまえては、相談を繰り返した。並行して、さまざまな部署にチェックを依頼した。新しいチャレンジであればあるほど、チェックする目は多いほうがいい。リスクを発見する確率が高まるからだ。さらに、社長への案件説明も自分で行った。

目の前のすべてが、わからないことだらけ。そんな日々だったが、平川には大きな手応えもあった。わからないことをつぶしていけば、それはこの先、ずっと役立つ自分の知識になる。

平川のある一日

8:45
出社、メールチェック。
9:00
案件資料の作成。
11:00
ミーティング。抱えている案件の進め方について、先輩にアドバイスをもらう。
12:00
ランチ。
13:00
金融機関の担当者が来社。進行中の案件についての情報共有と折衝。
14:00
説明用資料についての打ち合わせ。
15:00
資料作成。契約書の読み込み。部支店から持ち込まれた案件への対応。
16:00
作成した資料をチェックし、補足や修正。
17:30
退社。

新しいロールモデルへ。

半年後、平川は社内表彰を受けた。プロジェクトを実施へと導いた功績が認められたのだ。そして平川の中には、この半年で吸収した知識が、新しい武器として残った。

ファイナンスと一口に言っても、その中身は千差万別。案件が変わるたびに新しいノウハウが必要になる。学んでも学んでも上限がない。けれどそれこそが、平川の望んでいた「一生、力をつけていける場所」でもある。

就活時に考えていたことで言えば、NTTファイナンスの働きやすさは想像以上だった。ただ、女性活躍という面では、まだまだこれからかもしれないと感じている。制度が整えられたことによる成果は、しばらくたってから目立ちはじめるもの。それでも、出産や育児から復帰した社員や、女性管理職の姿もだんだんと増えはじめている。保証というサービスのモデルを確立させたいま、今度は女性のキャリアアップのロールモデルへ。それもまた、平川の大切な目標のひとつだ。