ビリング事業本部 ビリングソリューション部 サービス開発部門 サービス企画担当 ※所属は取材当時のものです
商学部 商学科 卒
- 2017年4月
- 入社。ビリング事業本部 九州総合料金センター 料金企画部に配属。料金業務をOJT形式で学ぶ。
- 2018年4月
- 同センターの営業担当として九州エリアの法人企業へのビリングソリューション営業を行う。
- 2019年4月
- ビリング事業本部 事業企画部 法人ビリングソリューションへ異動。ビリングソリューション営業のOH担当として、展示会出展の窓口や販売チャネル開拓を担当。
- 2020年7月
- ビリング事業本部 ビリングソリューション部 サービス開発部門 サービス開発担当へ異動。法人“ビリングONE”のサービス主幹として、業務運用設計や営業支援等を担当。
- 2022年4月
- 現担当に異動。電子帳簿保存法の改正に先駆けて「楽々クラウド電子帳簿保存サービス by ClimberCloud」をリリースしたほか、回収代行サービスの支払手段拡大やオプション追加等の企画業務を担当。
配属早々、
新サービスの企画担当に。
2022年1月、電子帳簿保存法(※)が改正された。これによって、2024年1月1日以降、ほぼすべての法人において電子取引のデータ保存が義務化されることになった。
NTTファイナンスは、請求や支払に関するサービスを「ビリングサービス」と総称し、多くの企業に提供している。さまざまな料金請求を一通の請求書にまとめて効率化する「法人“ビリングONE”」や、請求・回収・顧客管理などの機能をクラウド上で提供する「楽々クラウド決済サービス」がそれだ。
ただし2022年の時点では、電子取引のデータ保存に対応するサービスはラインナップになかった。それを新たに立ち上げることで、既存の法人顧客にソリューションを提供したい。そればかりではなく、新規取引先の開拓や既存ビリングサービスのアップセルにつながる“フック商材”にしたい——対応するのは売り上げ拡大につながる新サービスの企画開発をミッションとして2022年4月に新設された「サービス企画担当」。そのメンバーとして、配属されたのが西山だ。
※:税務関係帳簿書類について一定の要件を満たした上で電磁的記録(電子データ)による保存を可能とすることや、電子的に授受した取引情報の保存義務等を定めた法律

コンセプトは「手離れのよさ」。
実は、NTTグループ内にはすでに、NTTデータビジネスブレインズ社が提供する改正電子帳簿保存法に対応した「ClimberCloud」というサービスがあった。これをOEMで販売すれば、開発の時間やコストを大きく圧縮できるうえ、NTTファイナンスのビリングサービスのラインナップの拡充にもつながる。
その方針は、西山が担当になる前から固まりつつあった。次の段階は、サービス化にあたって経営層の公認を取り付けること。その準備に西山は取りかかった。「なぜこのサービスを始めるべきなのか」「OEMの必要性はどこにあるか」「どのようなターゲットに、どのような営業手法で販売するのか」「その結果、どれほどの受注が見込めるのか」——こうした項目の一つひとつに説得力の高い答えを用意しなければならない。
なかでも難しかったのは、販売戦略に関わる部分だった。この新サービスには「手離れのよさ」というコンセプトがあった。明快な機能でシンプルかつ導入しやすい価格設計。そのことで“フック商材”としての精度を高めつつ、営業活動の負担も減らす狙いだ。そのため、あまりにも大きな売上予測を立ててしまうと、営業担当からは「既存サービスの販売がある中で実現できるのか」と懸念の声があがる。かといって売上予測が低すぎれば、経営層からビジネスとしての価値を認めてもらえない。西山はさまざまなシミュレーションを重ねた。各部署に持ち込んで意見を仰ぎながら、どの角度からみても納得感のあるものへと調整していく。社長へのプレゼンテーションまで自らこなした西山は、晴れてサービス開始の公認を得ることができた。

サービスにまつわるすべてを、
一人称で。
サービスの提供体制も万全にしておかなければならない。利用規約の制定。必要な事務処理の策定と、実際に処理を行う拠点への導入。営業担当に対する勉強会の開催——。中でも営業活動に関しては、「インサイドセールス」という新しいチームが発足することになっていた。サービスについての問い合わせ対応から成約まで、オンラインのみで完結できるよう設計されている。営業活動の品質を落とさずに効率化を図る、まさに「手離れのよさ」を象徴するチームだ。
こうした前例のない取り組みを含め、サービスインのために必要なプロセスは山ほどある。そのすべてを、西山は「自分」という一人称のもとで進めた。とはいえ、1人ではとても解決できないことの連続だ。結果的に西山は、社内のほぼ全ての部門へ相談し、力を借りることになった。加えて、OEM元のグループ会社にも、さまざまな面で協力を仰いだ。
初対面の相手もいる。たとえ面識があったとしても、新サービスだけに、西山が何をしようとしているのか把握できている人は少ない。その前提に立って、西山は自分が「何をしたいのか」「何に困っているのか」を論理立てて示すよう心がけた。それが功を奏したのか、快い協力と的確な回答に恵まれた。

ここだけの経験が鍛えた、普遍的な力。
西山が牽引した新サービスは「楽々クラウド電子帳簿保存サービスby ClimberCloud」としてリリースされ、好評を博した。社内からは、時機に応じたサービスを打ち出したことに加え、狙い通りの「手離れのよさ」が高く評価された。事実、契約のほとんどは「インサイドセールス」を経由して行われている。
データ保存の義務化直前には、駆け込み需要によって受注や開通の処理が10倍近くに膨らんだ。それもどうにか乗り切った。西山がインサイドセールスの設置された札幌まで足を運び、対面でのヒアリングを通じて業務上の課題を丁寧にクリアしてきた成果だ。
西山は、いずれは会社全体に影響するようなプロジェクトを手がけたいと考えている。もともと西山は、「貢献事業」の多さに強く惹かれてNTTファイナンスへの入社を決めた。このプロジェクトではビリングソリューション部の売上拡大に貢献できた。次は会社全体へ。たとえばDX。現場と経営層の情報交流を効率化すれば、さらに風通しがよく、意思決定の早い会社になれるかもしれない。今回のプロジェクトで築かれた人間関係も、きっとその実現の支えとなってくれるはずだ。