Project Story
「シェアード化」から、
NTTグループの成長を後押し。

新規事業に伴うシェアードサービス推進プロジェクト

2021年にNTTビジネスアソシエから事業承継した、NTTファイナンスのアカウンティング事業。それは、NTTグループへの新しい貢献を生んだ。NTTグループ会社の間接業務を受託し、業務効率化を実現する「シェアードサービス」。グループ再編が進み、新規事業に伴う会社設立が活発に行われるなかで、NTTファイナンスの重要性もさらに増しつつある。

小川 めぐみ

財務事業本部 アカウンティング部 財務会計部門 SBS担当
※所属は取材当時のものです
外国語学部 イスパニア語学科 卒

2022年4月
入社。財務事業本部 グループファイナンス部 資金調達部門 調達担当(外貨)に配属。2年間、GCMS(グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム)に参加するNTTグループ各社の日々の資金繰り管理や資金需要の把握、GCMS加入手続きに従事。NTTファイナンスの外債発行にも携わる。
2023年7月
現担当に異動。NTTグループ会社の経理関連業務を行っている。
小梢 聡一郎

財務事業本部 アカウンティング部 財務会計部門 税務企画担当(FS税理士法人)
※所属は取材当時のものです
経済学部 経済情報システム学科 卒

2022年4月
入社。現担当に配属。現在に至るまで、NTTグループ会社の税額算定や確定申告などの税務関連業務を行っている。

決算期まで2週間。

NTTグループで、経理を始めとする間接業務の「シェアード化」が進んでいる。

一般的に、会社は「経理部」のような組織を持ち、会計や税務などを自前で行う。NTTグループの各社も同様だ。しかし、専門的知識・スキルをもった人材を採用したり、育成したりといった負担は重い。業務品質の維持にも苦労する。そこで始まったのが「シェアード化」。NTTグループ会社の会計・税務業務をNTTファイナンスに委託する。現在、約100社のNTTグループ会社が、なんらかの形で会計・税務業務をNTTファイナンスに託している。グループの再編が進む中、新たに設立されたり、M&Aによってグループに加わったりした会社の相談を持ち込まれることも多い。

小川と小梢のもとに舞い込んだのも、まさにそんな依頼だった。新設されたグループ会社の「会計決算」と「税務」の委託。その依頼自体は珍しいものではないが、異例なのはスケジュールだった。決算期まで、わずか2週間。しかもその会社は、NTTグループに前例の少ない養殖関連事業を行っており、未知の要素が多い。さらに、NTTグループ会社の決算期も当然ながら重なる。小川も小梢も、もともと手いっぱいのような状況だ。——それでも、そのハードルを超えれば、「シェアード化の拡大」というNTTグループの大目標に一歩近づける。

デジタルには頼れない。

会計を担当する小川にとって、第一の壁は「会計システムが使えないこと」だった。経理の基本的なプロセスに「仕訳」がある。取引内容と金額を勘定科目ごとに振り分けて記録するもので、決算数値もこれをベースに固められていく。汎用のシステムさえ使えれば「一発」といっていいほど難なくこなせるのだが、たった2週間ではその導入が間に合わない。小川は結局、Excelで手動入力を行うという一昔前の手法を取らざるを得なかった。さらにはインターネットバンキングも使えなかったため、取引先への振り込みには手書きの用紙を使った。デジタルに慣れた小川には、まごつくことの連続だ。

どうにか決算会計をやりきったあとには、さらに高い第二の壁が待っていた。会計システムの導入だ。ここでは、養殖関連事業という前例の少ない事業内容がネックになった。NTTグループではこれまで目にしたことのないような購入品があり、その請求にフィットする勘定科目を設定していく必要があったのだ。こうした課題を一つひとつ解決するために、小川は新会社の経理担当者と粘り強く話し合った。週に3度、4度のミーティングに加えて、電話やチャットでも頻繁に連絡を取り合う。

苦戦しながらも、小川は次第に会計システムそのものへの理解も深めていった。当時の小川は、実は異動してきて1年足らず。知識も経験も、まだまだ不足していると自覚していた。前例のない会社に1から会計システムを導入することは、その難しさゆえに、またとない成長の機会でもあったのだ。

新スキームに賭ける。

小梢は税務業務の担当として、これまでにないスキームを採用する必要に迫られていた。税務業務の一つに、決算税額の算定がある。当然、小梢たちのチームで行うべきものだが、繁忙期であるうえに依頼が急だったため、対応するだけのリソースが残されていない。そこで浮上したのが、小川もその1人であるSBS(シェアード・ビジネス・サービス)担当に協力を仰ぐアイデアだった。SBS担当がもともと手がけている会計業務に加え、決算税額の算定まで再委託するという試みだ。

幸い、SBS担当のなかにも税務の知識を持つメンバーがいた。そのことに胸を撫で下ろしつつ、やはり業務の細部についてはしっかりレクチャーする必要がある。もちろん、念入りな前準備も必要だ。業務の正確な完了を願いつつ、その対応に小梢は心を砕いた。一方で、小梢も小川と同じく、前例のない事業ゆえの苦労を味わった。税務調整の項目など、検討すべき点は多いのに社内に知見がない。社内外の有識者にも積極的に意見を求めながら、答えを見出していく。

小梢が新たに設立された会社の税務を担当するのは、これが初めてだった。どんなスケジュールで、どんな対応が必要なのか。それを実体験することで、小梢は知見を蓄積し、視座を高めていった。NTTグループが発展を続けるなか、予想もしなかった事業や会社の税務業務を受託する可能性はこれからも高い。つまりこの経験は、小梢にとってその第一歩ともいえた。

財務分野のプロフェッショナルへ。

駆け抜けてみれば、想像以上に短い期間だった。けれど、決算会計業務と税務業務は見事に完遂された。新会社の社長からは感謝の言葉が届いた。NTTグループにおいても、急な依頼にも関わらずシェアード化の拡大を実現したことが高く評価された。

この経験を糧に、さらなるシェアード化の推進に貢献したいと小川は考える。NTTグループ会社の業務効率化を一社ずつ重ねていけば、それがやがて、グループ全体の力になっていくはずだ。

小梢は、NTTグループにおける新規事業設立のハードルが下がることを願っている。今回のように前例のない事業であっても、その間接業務を自分たちが受託することで、設立の負担は減らせる。その先で、NTTグループの挑戦の幅はもっと広がっていくだろう。

財務分野のプロフェッショナルになりたい。そう口をそろえる2人。NTTグループへの貢献というスケールの大きな手応えが、その目標へ向かう原動力だ。

小川のとある一日

9:00
業務開始、メールチェック
10:00
担当MTG
11:00
支払処理
12:00
昼食
13:00
伝票確認・承認
15:00
決算に向けての業務整理、資料作成
16:00
各種問い合わせ対応
17:30
終業

小梢のとある一日

9:30
業務開始、メールチェック
10:00
担当MTG
11:00
税務点検
12:00
昼食
13:00
税務相談対応
15:00
税額算定、確定申告準備
17:00
自社決算業務
18:00
終業