Vol.011『東京2020パラリンピック / レース当日』

試合前は、ほどよい緊張感がありつつ、ある程度リラックスして入っていけるのが自分にとってベスト。
緊張しすぎるのも、リラックスしすぎるのも、力が出し切れないと感じている。
試合のイメージは“闘い”だと僕は思っている。ほどよい緊張を感じつつ、焦りすぎずという状態が闘いにはちょうどいい。しっかり準備できていると、適度な緊張を持って臨むことができる。

と言いながら、2021年8月25日、レース初日の朝は、初めてのパラリンピックということもありさすがに結構緊張していたかもしれない。
最初のレースは男子自由形100m。残念ながら予選を突破することはできなかった。

次のレースは8月27日、男子背泳ぎ100m。レース前日の夜は、意外とすんなり眠れた。当日の朝も普通に朝ご飯を食べることができた。
でも、肝心の予選の記憶があまりない。ただ、「予選突破」を目標にベストをねらっていく心づもりでレースに臨んだことだけは覚えている。

結果、予選7位で決勝に進むことができた。ひとつ目標を達成した感覚で、ほっとしたことを覚えている。
決勝はほどよい緊張感も感じつつ、「楽しもう」とリラックスした気持ちで泳ぐことができ、自己ベスト(01:09.09)で5位入賞という結果を手にした。

最後は9月3日の男子メドレーリレー4×100m。仲間と泳ぐリレーは、個人種目とはまた違った緊張感と高揚感がある。大会のフィナーレを飾る種目に、尊敬する先輩や仲間と一緒に出場できたのは最高の気分だった。

鷲尾コーチ談

レース当日は若干緊張している感じでした。予選と決勝では、予選レースの方が緊張した様子でした。目標の予選突破を達成した窪田君に、「決勝はチャレンジャーとして楽しんでこい」と声をかけたことを覚えています。

レース当日の窪田幸太のユニフォームの写真
窪田幸太 公式インスタグラム窪田幸太 公式インスタグラム