Vol.016Road to Paris 2024.03.09 代表選考会

最近は試合前に緊張することはあまりなかったが、パリパラリンピック出場をかけたこの大会は、大会後に鷲尾コーチから「珍しく前日から緊張していたね」と声をかけられた。

レース前夜。明日のレースをイメージする。
「まずスタート。滑らないように、しっかりスタートを決める。前半である程度周りに差をつけて折り返し、最後のスパート!完璧なレースでパリパラ内定を決めて笑顔で観客席に向かう!」
そんなイメージができたかと思えば、「結果を出すことができずに更衣室でうつむき動けない自分」も頭に浮かんだりした。
いろいろな想像が頭のなかを駆けめぐった。「あー、やばい。このままでは眠れない」。
帯同してくださっていた代表チームの心理サポートの方に話を聞いてもらう。
「レース前、何もしない時間はそういうことを考えてしまうもの。大丈夫だ」と言ってもらい、心が落ち着く。
心が落ち着いたらすっと眠ることができた。この切り替えの早さは、ある意味僕の強みかもしれない。

レース本番は、とにかくスタートを失敗しないこと、その1点に集中していた。
後半、隣のレーンの選手が迫ってくるのが視界に入ったけれど、焦りはなかった。マンチェスターの世界選手権以降、追い上げられるパターンの練習もしていたし、後半強くなっているとの自信はあったので、あわてることはなかった。
1分7秒41!派遣タイムを突破し、パリパラリンピック内定を決めることができた。

当日は会社から大勢の方が応援に静岡の会場まで来てくださった。
事前に広報の小澤さんや直属の上司である龍田さんから「当日は会社のメンバー50名くらいで会場へ応援に行くからね」と連絡をもらった。
「学校のクラスでいったら1クラス分くらいじゃん!」とテンションがあがったし、大応援団の前で結果を出すことができて、心底ほっとした。

レース数日後、社内報では「窪田幸太、パリパラ内定」を報じる号外が発行された。
広報の山脇さんがレース結果を受けて速攻で制作してくれたものだ。
僕には、僕を応援してくれるたくさんの仲間がいる。次回はその職場の仲間について触れたいと思う。

鷲尾コーチ談

パリパラリンピックでは、今よりも洗練された泳ぎと自信を持って、金メダルに挑戦します。

広報・山脇さん談

窪田さんの入社以来、広報担当としてずっとレースを見てきたので、代表選考会前は窪田さんより緊張しているのではないかというくらい、ドキドキしていました。
代表に内定したときは本当にうれしかったです。これからも窪田さんの応援で社内を盛り上げていきたいと思います。

2024.03.09 代表選考会での窪田さんと鷲尾コーチのツーショット
パリパラ代表内定後、鷲尾コーチと
窪田幸太 公式インスタグラム窪田幸太 公式インスタグラム