Vol.021Paris 2024 Paralympics/万全を期して、いよいよ本番!

レース当日のシミュレーション、朝からレースまでをどう過ごすかを、事前に鷲尾コーチと話し合った。朝早くから会場入りして準備をするのが理想だったが、会場が開くのは朝8時。レース時間から逆算すると、会場に入ってから準備を始めるのでは、レースに間に合わない。
さて、どう調整するか。「選手村にウエイトをする場所はある。ふだんはプールに着いてからやることを事前にやってから会場入りして、プールに到着したらすぐに泳ぎ出すくらいの感じでいこう」とのプランを立てた。朝4時に起床。一度カラダを動かしてから朝食を取り、会場へ。会場に到着したら、プランどおり、すぐにプールでのアップを始めた。

予選は7秒台を出せば、決勝に残れると思っていた。
レースをイメージする。まずはスタート。フライングと潜水で15mを超えてしまうことのないよう、細心の注意を払う。安全に行きつつもある程度のタイムは必要。今大会の初レースということもあり、今振り返ると、決勝よりも予選のほうが緊張していたかもしれない。
結果、予選1着。泳ぎ終わった時、それほど脈も上がっていなくて、どちらかというとカラダが楽な感覚だった。悪くもないけど良くもない感覚……。

予選レースで泳いで気がついたことがある。折り返しの着順とタイムが表示されるパネルが小さくて、泳いでいる時はタイムが見えないのだ。
練習で、自分の感覚とタイムのすり合わせはするけれど、本番はレース用の水着を着用するし、気持ちも上がっているので、どうしても感覚にずれが生じる。いつも試合でやるように、折り返しのタイムを確認して自分の感覚とのすり合わせをしたかったが、「あらら、小さくてわからないわー」と思いつつゴールに向かっていった。
でも、見えないものは仕方がない。決勝は、メダルを争うことになるであろう二人が僕の両サイドを泳ぐことになったので、「何秒で折り返そうが、トータルタイムがどうであろうと、この2人よりも速ければ大丈夫だ」と腹をくくってレースに臨むことにした。

そして、予選から数時間後に迎えた決勝。「楽しんで!」との鷲尾コーチの言葉に背中を押されて、僕は第5レーンに立った。

弟(四男)さん談

今まで観に行った、どの会場よりも広くて観客も多く、歓声に圧倒されました。周りの声援もあり、距離も近かったのでとても興奮しました。

競泳の会場となった『ラ・デファンス・アレナ』の写真
競泳の会場となった『ラ・デファンス・アレナ』
窪田幸太 公式インスタグラム窪田幸太 公式インスタグラム