経理アウトソーシングとは?メリット・デメリットや料金相場、外注との違い
経理アウトソーシングとは、企業における経理業務を外部に委託することを指します。
経理担当者を設けることが難しい企業や、アウトソースして効率化したい企業を筆頭に注目を集めているサービスです。
本記事では、経理アウトソーシングに関する下記の内容を解説します。
経理アウトソーシングで依頼できる業務例と料金相場
経理アウトソーシングを利用するメリット・デメリット
経理アウトソーシングの失敗しない選び方
経理アウトソーシングサービスの大手企業3選
経理業務のアウトソースで失敗したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
※各サービスの内容は、2024年1月時点の情報です
目次[非表示]
経理アウトソーシングとは?依頼できる業務の例も紹介
経理アウトソーシングとは、自社で実施している経理業務を外部に委託することを指します。
自社で担うのが難しくなったり、効率化を求めたりする場合に利用されるケースが多いです。
経理アウトソーシングで任せられる業務の例は、次のとおりです。
【経理アウトソーシングで任せられる業務の例】
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アウトソーシング先に経理業務のすべてを任せるのではなく、一部だけ担ってもらうパターンもあります。
例えば、年末の忙しいときだけ「年末調整」をアウトソーシングするなど、自社でボトルネックになっている業務のみを任せることも可能です。
【コラム】「アウトソーシング」と「外注」は違う意味
アウトソーシングと外注は、同じ意味を持つ言葉としてとらえられがちです。しかし、実はそれぞれの言葉の意味は異なります。
用語 |
意味 |
アウトソーシング |
・コア業務に集中するために、ノンコア業務を戦略的に外部へ委託する |
外注 |
・業務にかかるコストをより下げるために外部委託を利用する |
アウトソーシングは「企業の成長」が目的です。課題の発見や問題の解決・改善策の提案など、アウトソーシングを請け負う側に高い専門性が求められます。
一方で、外注の主な目的は「コスト削減」です。例えば、自社の経理担当に支払う人件費が毎月30万円かかっているなら、これを20万円や15万円などに下げることを目的とします。
アウトソーシングは必ずしもコスト削減につながらないのに対し、外注は「コスト削減できなければ委託しない」という判断になります。
経理は業務を遂行するうえで専門的な知識が求められ、外部へ委託することで企業の成長にもつながるため、アウトソーシングに向いている部門です。
本章では、外注ではなくアウトソーシングに焦点を当てて解説します。
経理アウトソーシングの料金相場
経理アウトソーシングを利用する場合、どの程度の費用が発生するのでしょうか。本章では、経理アウトソーシングの料金相場を「委託する業務別」に紹介します。
▼記帳代行の料金相場
仕訳数 |
月額料金相場 |
〜100仕訳 |
10,000円程度 |
101〜200仕訳 |
15,000円程度 |
201〜300仕訳 |
20,000円程度 |
301〜400仕訳 |
25,000円程度 |
401仕訳〜 |
30,000円程度〜 |
記帳代行は、主に日々の記帳を代行してもらえます。記帳代行サービスは、「経費の仕訳数に応じた単価」が設定されているパターンも多いです。
少量であれば少ないコストで済みますが、記帳する数が増えるとどうしてもコストが嵩(かさ)んでしまう点は覚えておきましょう。
▼給与計算代行の料金相場
従業員1人あたり:1,000円〜2,000円
給与計算代行は、従業員の勤怠データをもとに給与・社会保険・残業代などを算出してもらえます。
従業員1人あたりで計算されることが多いため、人数が多い企業ほど費用も増えてしまいがちです。
▼決算代行の料金相場
経理代行会社 |
5万円〜20万円 |
税理士・会計士事務所 |
15万円〜25万円 |
決算代行は、会社の決算書作成や法人税の申告を実施してもらえます。頼む業務範囲によって、料金に大きな差が生じるのが特徴です。
税理士や会計士事務所に依頼する場合、経理代行会社に比べて10万ほど費用が高くなる傾向にあります。
経理アウトソーシングを利用する4つのメリット
経理アウトソーシングを利用するメリットは、主に次の4つです。
経理アウトソーシングを上手に活用すると、企業の成長につながるだけではなく法改正などのルール変更にも対応しやすくなります。
メリット1.人手不足を解消できる
経理業務は知識や経験がないと対応がむずかしく、高い専門性が求められます。ゆえに、人材確保・人材育成も容易ではありません。
属人化していると、もし担当者が不在となった場合に業務が止まるリスクも潜んでいます。
一方で、経理業務をアウトソーシングすると、自社で経理担当を設ける必要はありません。人材不足の解消につながり、浮いた人材を他の業務に充てることも可能です。
メリット2.コア業務に集中できる
コア業務とは、簡単に言うと「利益や売上を生み出す業務」です。コア業務に専念できると、企業が成長する可能性を高められます。
そこで有効なのが、経理アウトソーシングの活用です。ノンコア業務を戦略的に外部へ委託することで、利益や売上を直接的に生み出す業務に集中できます。
メリット3.内部不正・人的ミスを防止できる
経理業務は専門性が高いがゆえに属人化しやすく、ブラックボックスになっていることも多いです。
重要な経理データを管理できる人が固定されていると、改ざんや横領のリスクも高まってしまいます。
一方で、経理アウトソーシングを利用すると第三者が介在することになるため、ブラックボックス化を避けつつ経理担当による不正を防ぎやすくなります。
また、業務効率化できることから人的ミスの防止にも効果的です。
メリット4.法改正などのルール変更に対応しやすくなる
経理は、税制を始めとした法改正の影響をダイレクトに受ける部門です。
その都度、経理担当者は法改正に対応しなくてはならないため、業務負担が大きくなる傾向があります。
一方、経理業務のプロ集団にアウトソースすることで、法改正があった際もサービス側でしっかりと対応してもらえます。
自社で常に情報をキャッチして対応する必要がなくなるうえ、ルール変更にも迅速に対応できる点は大きなメリットです。
経理アウトソーシングを利用する3つのデメリット
経理アウトソーシングを利用するデメリットは、主に次の3つです。
メリットだけではなくマイナス面も把握して、「こんなはずではなかった」と後悔しないように対策しましょう。
デメリット1.自社でノウハウを蓄積できない
経理アウトソーシングは、経理業務を外部サービスに委託します。当然、自社で経理業務を実施しなくなるため、経理に関するノウハウを蓄積できません。
今後ずっとアウトソーシングし続ける場合、自社でノウハウを蓄積できなかったとしても大きな問題にはならないでしょう。
しかし、少しでも自社で実施する可能性がある場合や人材育成も進めたい場合、すべての業務を丸投げせずに一部の業務のみアウトソーシングするのも一つの手です。
デメリット2.今よりもコストがかかる場合がある
アウトソーシングは戦略的に外部に委託する以上、現在よりもコストがかかる場合があります。
経理業務をプロに任せたうえで、「どうすればもっと企業価値を上げていけるか」を一緒に考えることになるので、委託する分のコストは必要経費と考えておきましょう。
コストを抑えたい場合、アウトソーシングする範囲や利用するオプションの数を絞るなどの調整は可能です。
デメリット3.機密情報が漏えいするリスクがある
アウトソースする際は委託先へ機密情報を渡すため、セキュリティリスクが高まることは避けられません。
依頼するサービスのセキュリティ体制の確認はもちろん、事前に「秘密保持契約」を結ぶことも非常に重要です。
メリットを最大限享受するためにも、適切なリスクヘッジを実施しておきましょう。
経理代行アウトソーシング の失敗しない選び方3選
ここで、経理アウトソーシングの失敗しない選び方を3つ紹介します。
特に、アウトソーシングしたい業務を担ってもらえるかは、まず確認すべき重要なポイントです。
選び方1.アウトソーシングしたい業務を担ってもらえるか
自社の経理業務において、経理アウトソーシングに「頼みたい業務」があるはずです。
アウトソーシング先の業務対応範囲のなかに「頼みたい業務」が含まれているかは、事前に必ず確認しておきましょう。
多くの場合、対象サービスの公式サイト上で業務対応範囲を確認できます。
また、ミスマッチを起こさないためにも、委託したい業務を事前に洗い出してリスト化しておくのがおすすめです。
選び方2.信頼できる企業・導入実績があるか
経理業務を委託する際は、自社の機密情報を取り扱ってもらうことになります。機密情報を開示するからには、信頼のおける企業でなければ安心して任せられません。
下記に示す「見極め方」を参考に、信頼のおける企業かを事前に確認するのがおすすめです。
【信頼できる企業の見極め方】
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これに加えて、豊富な導入実績もあるとより安心して依頼できます。
選び方3.コミュニケーションを密に取れるか
繰り返しにはなりますが、経理アウトソーシングの目的は「企業の成長」です。
委託先と密なコミュニケーションを取って課題改善などに取り組まなければ、アウトソーシングを成功させられません。
資料請求や問い合わせでのメッセージ・トライアル期間中の対応などで、レスの早さやコミュニケーションの取りやすさを確認しておきましょう。
併せて、下記の情報も確認しておくのがおすすめです。
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経理アウトソーシングサービスの大手企業3選
本記事では、数ある経理アウトソーシング先のなかから大手企業のサービスを3つ紹介します。
アウトソーシング先を選ぶ際の参考にしてみてください。
1.マネーフォワード経費BPO
出典:https://biz.moneyforward.com/expense/bpo/
マネーフォワード経費BPOは、請求書の受取・起票・経費精算に特化している経理アウトソーシングです。
初期費用 |
要問い合わせ |
月額費用 |
基本料金+従量課金+オプション料金 |
業務対応範囲 |
【領収書BPO】 |
個社ごとのフルカスタマイズではなく、一部の業務に絞ってカスタマイズできます。依頼する業務範囲を細かく決めたい方におすすめです。
2.freee経理アウトソース
出典:https://www.freee.co.jp/accounting-outsourcing/
freee経理アウトソースは、請求書のスキャン代行から電子データ保存、債務管理も含めたすべてをアウトソーシングできるサービスです。
初期費用
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要問い合わせ |
月額費用 |
要問い合わせ |
業務対応範囲
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・請求書受領後のスキャン代行から電子保存(電子帳簿保存法に対応) |
人手不足の解消はもちろん、電子帳簿保存法とインボイス制度に対応した電子保存が可能です。
電子帳簿保存法にも対応した経理アウトソーシングを探している方に、特に適しています。
3.会計アウトソース
出典:https://www.i-ap.net/finance
株式会社アイエーピーの会計アウトソースは、細かい経理業務からフルアウトソースまで幅広く対応してもらえるサービスです。
初期費用
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要問い合わせ |
月額費用 |
要問い合わせ |
業務対応範囲
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・日々の記帳 |
会計アウトソースの特徴は、なんといってもバイリンガル(2ヵ国語を使いこなせる人)のトレーニングを積んだプロスタッフの存在です。
海外でのビジネス展開をサポートしてもらいたい企業に、特に適しています。
下記の記事では、おすすめの経理代行サービス10選を紹介していますので、併せてチェックしてみてください。
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経理アウトソーシングを上手に活用して企業価値を高めよう
【本記事のまとめ】
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人手不足の解消や経理業務の効率化を求める場合、経理アウトソーシングが有効です。
自社にあうアウトソーシング先を上手に選べると、企業価値の向上や利益拡大にもつながります。
本記事で紹介した失敗しない選び方を参考にして、頼みたい業務を請け負ってもらえるサービスをお選びください。
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