経理の採用は難しい?優秀な人材を採用する手法や人手不足の解決策を解説
専門的な知識が求められる経理部門は、人手不足になりやすい部署のひとつです。人手不足の状態が続くと職場環境の悪化につながりかねないため、適宜人員の補填が必要です。
そこで本記事では、経理採用が難しい昨今の転職市場の状況を解説しつつ、経理担当者を効果的に採用する戦略や人手不足を解消する方法を紹介します。
なお、採用が難しい市場環境もさることながら、そもそも複雑化した経理業務が人手不足を招いているケースも少なくありません。
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経理採用が難しい3つの理由。現状は求職者有利の売り手市場
専門的な知識が求められる経理職は、1つの企業に長く勤めるケースも多いため人材の流動性が低いといわれています。
人手不足の企業も多く、転職市場に経理経験者が出てきたとしても競争率が高いのが現状です。
このような状況から、経理職は求職者有利の売り手市場とされています。まずは経理職の人材不足が起こりやすい理由を、掘り下げてみましょう。
理由1.求められる専門性やスキルの高さ
経理職は高度な知識が求められるケースも多く、ほかの事務職に比べると即戦力となるスキルを持った人材は限られます。
例えば、経理職には次のようなスキル・姿勢が求められます。
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多くのスキルを求められるハードルの高さゆえに、経理職での就職や未経験転職を諦める人がいるのも現状です。
企業側も経理人材を育てる余裕がないケースが多く、経験者を求める傾向があるためマッチングが難しくなっています。
理由2.そもそも日本の生産年齢人口が減っている
経理に限った話ではありませんが、日本の生産年齢人口自体が減少しているため、今後ますます人材確保が難しくなる見込みです。優秀な人材であるほど、採用の競争率はより高くなります。
優秀な人材を獲得するためには、給与や休暇、働き方の自由度など求職者にとって魅力的な職場環境を提供することがより重要になっていくでしょう。
理由3.自社の業務にマッチする人材が限られる
経理経験者のなかでも、業務を細分化して担当する大企業の経理経験者と、一人で幅広い業務を担当する中小企業の経理経験者とでは業務経験の内容が異なります。
企業によって、経理担当者に任せる業務範囲はさまざまです。ただでさえ少ない経理経験者のなかで、自社の業務にマッチする即戦力に出会うのは難しくなってしまいがちです。
経理人材を採用する戦略とは?見直しポイント2選
採用が難しい経理人材を獲得するためには、採用活動でどのような点を意識する必要があるのでしょうか。
各社工夫を凝らして活動をしていますが、優秀な人材を確保するために「求人情報の内容」や「自社の労働環境」を見直す企業が増えています。
それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
1.求人情報の内容を見直す
売り手市場の採用活動では、求職者が知りたい情報を開示することが大切です。採用担当者の間で採用したい人物像を言語化・共有して、ターゲットに効果的にアプローチしましょう。
求人情報で積極的に開示したい項目は、下記のとおりです。さらに現役社員のインタビューや口コミが載っていると、求職者も入社後の生活をイメージしやすくなります。
<開示する情報例>
- 条件の詳細(給与や労働時間など)
- 業務内容の詳細
- 実際の残業時間(例:繁忙期・閑散期の具体的な残業時間)
- 期待する役割や求める人物像
- 自社で展開できるキャリアパス
- 自社の魅力や将来性のアピール
2.待遇や福利厚生など自社の環境を見直す
「求職者が働きたいと思える企業かどうか」という視点も意識しましょう。思うように採用が進まない場合は、給与や待遇を改善する余地はないか検討してみることも大切です。
近年はワークライフバランスを重視する求職者も増えています。給与や待遇を上げるのが難しい場合は、残業を減らす、テレワークや時短勤務を選べるようにするなどの条件提示も有効です。
経理採用で見るべきポイント4つ。資格やスキル以外も重要
求職者が集まったら、いよいよ選考です。自社に合う経理人材を採用するためには、下記の4点を確認して面接で求職者のスキルを見極める必要があります。
また、選考を通じて自社への志望度を高めてもらう意識も重要です。面接では求職者の経験や価値観にしっかり向き合いましょう。
ここからは、経理人材の採用面接で見るべきポイントを4つに分けて解説していきます。
ポイント1.経理に必須の専門知識と関連資格
専門知識や関連資格の有無は、まず確認したい項目です。未経験・ポテンシャル採用でも、資格を保持していることは一定の実力がある裏付けとなります。
例えば、日商簿記2級以上、税理士や公認会計士などの資格を持っている求職者は即戦力になる可能性が高いといえます。外資系やグローバル企業の場合は、TOEICやTOEFLの点数も確認しておきましょう。
ポイント2.経理関連の経験やスキル
資格だけでは判断できない実務経験やその他のスキルも確認します。履歴書や職務経歴書の短い文章だけでは判断しにくい部分なので、対話で引き出したいポイントです。
これまで携わった仕事や得意とする仕事、苦労した仕事といった具体的な質問を投げかけると良いでしょう。
<質問例>
- 経理を経験した企業の上場区分・業種・規模
- 前職経理部門の組織構成や分担
- 使用したことのある会計ソフトの種類
- 決算経験や繁忙期の対応経験の有無、回数
- 実際に担当していた業務と、外注していた業務
また、多くの企業の経理業務ではパソコンや専用の会計ソフトを使用します。正確な数字の入力が求められるため、一般的なパソコンスキルも確認しておきたいところです。
ポイント3.対人スキル・マネジメントスキル
経理業務では他の部門や外部の取引先とのやりとりも多いため、コミュニケーション能力が欠かせません。具体的には、下記のような対人スキルが必要です。
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また、マネージャークラスの採用では、マネジメント経験の有無も確認します。これまで負っていた責任の範囲や人事考課への関与など、具体的に質問するとマネジメントスキルを判断しやすいでしょう。
ポイント4.人間性
コミュニケーションスキルはもちろん、一緒に働きたい人材か総合的な人間性を確認することも大切です。例えば、大切にしている価値観とその理由などを質問して、自社に適した考え方か対話で深掘りすると良いでしょう。
また、入社後の希望や展望も確認したいポイントです。伸ばしたいスキルや経理以外に興味のある部門、マネジメント職を目指すかどうかなど、求職者の転職の目的を把握しておくことで互いにミスマッチを減らせます。
経理担当者の採用が難しいときに検討したい解決策2選
人材確保の競争が激化している転職市場。しっかり対策して採用活動をしても、経理業務の経験者が思うように採用できないケースもあります。
とはいえ、経理部門の人材不足を放っておくことはリスクです。経験者の採用が難しいときは、採用活動と並行して下記の2点を検討するのがおすすめです。
解決策1.未経験者を採用する
転職市場に出る経理経験者は限られていますが、経理への未経験転職を志す求職者は少なくありません。
未経験者ならスキルや経験にとらわれず人柄を見て検討できるぶん、人材の母数が増えるので、採用できる可能性が高まります。
ただし、未経験者を採用するなら、社内に経理業務を教えられる人がいるかなど、自社で教育する環境や人員を整える必要があります。採用後に困らないように、事前に体制を見直しましょう。
解決策2.経理業務を効率化する
経理部門の人手不足の背景には、自社の経理業務の煩雑化が発生していませんか?限られた人員でも業務を回せるよう、デジタル化やITツール活用を進めて業務効率を上げるのも有効な手段です。
とはいえ、在籍中の社員は業務の見直しを行う余裕がないケースもあるでしょう。そのようなときには、外部のコンサルティングサービスを利用するのがおすすめです。
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経理人材の転職市場の傾向を把握して、効果的な採用活動をしよう
【本記事のまとめ】
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人材不足の傾向にある経理の転職市場でも、ポイントを押さえて採用活動をすれば、自社に合う人材とマッチングできる可能性は高められます。
同時に待遇や福利厚生・業務体制の見直しを図り、自社の魅力を高めていくことで、求職者の志望度を上げることも可能です。経理部門を取り巻く環境を見直して、人材不足を解消していきましょう。
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