訂正仕訳の正しいやり方をわかりやすく解説!必要な科目や金額修正の方法も紹介



訂正仕訳とは、簡単にいうと「経理の処理で発生した誤り」を修正するための処理のことです。

経理業務ではどんなに注意していてもミスが起こりうるため、経理担当とは切っても切り離せません。

そこで本記事では、下記の内容を紹介いたします。

  • 簿記における「訂正仕訳」とは?
  • 訂正仕訳の重要性
  • 訂正仕訳の流れと具体例

訂正仕訳について詳しく解説しているので、正しい処理を行いたい方はぜひ最後までご覧ください。


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目次[非表示]

  1. 簿記における「訂正仕訳」とは?
    1. 訂正仕訳の基本的な定義と意味
    2. 訂正仕訳が必要となる主なケース
  2. 簿記における「訂正仕訳」の重要性
    1. 重要性1.会計記録の信頼性向上
    2. 重要性2.コンプライアンスと内部統制を強化する役割
  3. 【3ステップ】仕訳を訂正するときの流れ
    1. ステップ1.該当する仕訳の内容を確認する
    2. ステップ2.反対仕訳と正しい仕訳を実施する
    3. ステップ3.訂正作業を終えた後の確認・記録を行う
  4. 仕訳の訂正を具体例を交えて説明
    1. 例1.勘定科目の間違いを修正する場合
    2. 例2.金額の誤りを訂正する場合
    3. 例3.取引日の間違いを修正する場合
    4. 例4.借方と貸方を間違えてしまった場合
    5. 例5.値引きを実施する場合
  5. 仕訳作業を効率化するなら「法人"ビリングONE"」がおすすめ
  6. 適切な訂正仕訳で経理業務の精度を高めよう!



簿記における「訂正仕訳」とは?


訂正仕訳は、経理処理において発生した誤りを修正するための会計処理です。ここでは訂正仕訳の基本的な考え方と種類について解説します。

  1. 訂正仕訳の基本的な定義と意味
  2. 訂正仕訳が必要となる主なケース

訂正仕訳の基本的な定義と意味

訂正仕訳は「取引の記帳時に発生した誤りを、正しく修正するための会計上の処理方法」です。日々の経理業務で発生する可能性がある勘定科目の選択ミスや金額の入力間違いなどを、会計原則に則って適切に修正していきます。

一般的な修正方法として、誤った仕訳を打ち消す反対仕訳を行い、その後に正しい仕訳をあらためて記帳する方式が採用されています。

訂正仕訳が必要となる主なケース

取引における記帳ミスは、さまざまな状況で発生する可能性があります。よくある記帳ミスは下記のとおりです。

  • 仕訳時の勘定科目の選択を誤ってしまう
  • 金額を誤って入力してしまう
  • 借方と貸方を取り違えて記帳してしまう
  • 取引日を間違えて入力してしまう

上記のような記帳ミスを発見した場合には、速やかに訂正仕訳を行い、正確な会計記録を維持することが求められます。

簿記における「訂正仕訳」の重要性



この章では、訂正仕訳の重要性について詳しく解説していきます。

  1. ​​​​​会計記録の信頼性向上
  2. コンプライアンスと内部統制を強化する役割

正確な会計記録を維持するために、訂正仕訳は不可欠な会計処理です。

重要性1.会計記録の信頼性向上

適切な訂正仕訳を行うことで、誤りの早期修正や帳簿全体の整合性が保たれ会計帳簿の信頼性が向上します。

不適切な会計処理が放置されると、決算書類の信頼性が損なわれ、経営判断に影響を与えるおそれがあります。最悪の場合、投資家や取引先の信頼も失いかねません。

発見された誤りに対して、適切なタイミングで訂正仕訳を行うことが大切です。

重要性2.コンプライアンスと内部統制を強化する役割

訂正仕訳は、企業が透明性を持った財務管理を行うための基盤です。適切な訂正仕訳は、コンプライアンス体制の強化と内部統制の確立に直結します。

適切に記録された訂正仕訳は、税務署や監査法人の調査過程で重要な役割を果たします。仕訳訂正が履歴として残されていれば、必要に応じた説明が可能となり、リスクの最小化が可能です。

訂正仕訳の過程が記録され追跡可能であることは、会計処理の透明性を高め企業の財務報告の信頼性向上にもつながります。 

【3ステップ】仕訳を訂正するときの流れ



本章では、訂正の流れを3つのステップに分けて説明します。

  1. 該当する仕訳の内容を確認する
  2. 反対仕訳と正しい仕訳を実施する
  3. 訂正作業を終えた後の確認・記録を行う

仕訳の訂正には、正確な手順と適切な対応が必要です。

ステップ1.該当する仕訳の内容を確認する

仕訳の誤りを発見した際は、まず該当する仕訳の内容を詳しく確認することが重要です。

具体的には、取引の証憑書類や関連する伝票を再度確認し、どの部分に誤りがあるのかを特定していきます。仮に複数の誤りが見つかった場合は、それぞれの誤りの内容を明確にメモして整理することが有効な方法となります。

この段階で急いで訂正作業を始めるのではなく、発見された誤りが他の仕訳に影響を与えていないかどうかの確認も必要です。

取引の性質や金額によっては、関連する取引全体を見直す必要が生じる場合もあるでしょう。

ステップ2.反対仕訳と正しい仕訳を実施する

誤りの内容を特定したら、次は具体的な訂正作業に入ります。

最初に行うのは、誤った仕訳を打ち消すための反対仕訳です。これは、元の仕訳の借方と貸方を逆にした仕訳を行うことで実現できます。

反対仕訳が完了したら、あらためて正しい内容の仕訳を行います。この際、訂正前の仕訳と訂正後の仕訳を明確に区別できるよう、備考欄などに訂正理由や関連する仕訳番号を記録することが大切です。

ステップ3.訂正作業を終えた後の確認・記録を行う

訂正仕訳を行う際は、確認や記録をいつも以上に慎重に行いましょう。

会計期間をまたぐ訂正の場合は決算手続きや税務申告への影響を考慮する必要があるため、税理士や会計士への相談が推奨されます。また、訂正仕訳の金額が大きい場合は、上司の承認を得るなど、社内の承認プロセスに従った対応が求められます。

さらに、訂正仕訳の履歴は適切に保管し、必要に応じて監査対応などで説明できるように整理しておくことが重要です。

定期的な照合作業で、訂正仕訳の必要性自体を減らすことも可能になります。

仕訳の訂正を具体例を交えて説明



仕訳の訂正にはさまざまなケースがあります。ここでは、実務でよく発生する具体的な事例に基づいて、それぞれの訂正方法を説明します。

  1. 勘定科目の間違いを修正する場合
  2. 金額の誤りを訂正する場合
  3. 取引日の間違いを修正する場合
  4. 借方と貸方を間違えてしまった場合
  5. 値引きを実施する場合

間違っている仕訳から正しい仕訳まで表にしていますので、気になる項目から読んでみてください。

例1.勘定科目の間違いを修正する場合

事務用品の購入を「消耗品費」として計上すべきところを、誤って「備品費」として仕訳してしまうことがあります。このような場合、まず誤った仕訳を打ち消すために、借方に備品費、貸方に現金の反対仕訳を行います。

区分

借方

金額

貸方

金額

1.間違っている仕訳

備品費

15,000

現金

15,000

2.訂正の反対仕訳

現金

15,000

備品費

15,000

3.正しい仕訳

消耗品費

15,000

現金

15,000


その後、正しい仕訳として借方に消耗品費、貸方に現金を計上して修正が完了します。

この際、金額や取引日は変更せず、勘定科目の変更のみを行う点がポイントです。証憑書類と照らし合わせながら、適切な勘定科目を選択することが重要となります。

例2.金額の誤りを訂正する場合

商品の仕入時に、本来50,000円の取引を誤って15,000円と記帳してしまった場合を考えてみます。この場合、まず15,000円の誤った仕訳を反対仕訳で打ち消します。

次に、正しい金額である50,000円であらためて仕訳を行います。

区分

借方

金額

貸方

金額

1.間違っている仕訳

仕入

15,000

現金

15,000

2.訂正の反対仕訳

現金

15,000

仕入

15,000

3.正しい仕訳

仕入

50,000

現金

50,000

相殺後の訂正仕訳

仕入

35,000

現金
35,000


仕訳の修正を行う際は、差額のみを追加計上するのではなく、必ず元の仕訳を打ち消してから正しい金額で仕訳を行うというプロセスを踏むことが大切です。

例3.取引日の間違いを修正する場合

実務では、前月の取引を当月に計上してしまうなど、取引日の誤りが発生するケースがあります。

まず誤った日付の仕訳を反対仕訳で取り消すことが必要です。その後、正しい取引日で仕訳をし直します。特に月をまたぐ場合は、月次決算への影響を考慮する必要があります。

区分

借方

金額

貸方

金額

備考

1.間違っている仕訳

仕入

30,000

現金

30,000

4/1付

2.訂正の反対仕訳

現金

30,000

仕入

30,000

4/1付

3.正しい仕訳

仕入

30,000

現金

30,000

3/31付


仕訳の修正が売上や仕入に関係する場合は、消費税の計算にも影響を与える可能性があるため慎重な対応が求められます。

例4.借方と貸方を間違えてしまった場合

売掛金の回収時に、借方と貸方を逆に記帳してしまうケースがよくあります。

この場合の修正手順は比較的単純です。間違えた仕訳と同じ金額で、借方と貸方を入れ替えた仕訳を行えば、誤りを訂正することができます

区分

借方

金額

貸方

金額

1.間違っている仕訳

売掛金

15,000

現金

15,000

2.訂正の反対仕訳

現金

15,000

売掛金

15,000

3.正しい仕訳

現金

15,000

売掛金

15,000


ただし、この種の誤りは取引の本質的な理解が不足しているかもしれません。基本的な仕訳のルールの再確認をおすすめします。

例5.値引きを実施する場合

取引完了後に値引きが発生した場合の訂正仕訳も重要です。例えば、100,000円の売上に対して10,000円の値引きを行う場合、借方に売上高、貸方に売掛金で10,000円の訂正仕訳を行います。

値引きの処理は、新たな取引として扱うため、元の仕訳を打ち消す必要はありません。

区分

借方

金額

貸方

金額

当初の売上仕訳

売掛金

100,000

売上

100,000

値引き時の仕訳

売上

10,000

売掛金

10,000


なお、値引きの理由や承認過程は、後の確認作業のために必ず記録として残しておくことが重要です。

紹介してきたとおり、仕訳の訂正はかなり大変で時間と手間がかかります。そこで、次の章で仕訳処理を効率化できるおすすめのサービスを紹介します。

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【本記事のまとめ】

  • 簿記における「訂正仕訳」は、会計処理とは切り離せない存在
  • 会計の信頼性向上やコンプライアンスの統制にも重要な役割を持つ
  • できる限り訂正仕訳をしないための工夫が必要


訂正仕訳は、経理実務において避けては通れない重要な会計処理です。日々の業務で発生する可能性のある勘定科目の選択ミスや金額の入力間違い、取引日の誤りなど、さまざまなケースに対して適切な対応が求められます。

本記事で解説してきた基本的な流れや具体例を参考に、実務での訂正仕訳に取り組んでいきましょう

なお、訂正仕訳に限らず経理業務そのものをまるっと効率化したい方は、経理業務の効率化のプロに任せるのも一つの手です。

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