ENGINE STORY #06

挑むためなら、組織さえ生み出す。

新ワーキンググループ発足プロジェクト

NTTファイナンスには、さまざまな決済サービスがある。たとえばおまとめ請求。NTTグループ各社に代わってNTTファイナンスが請求・回収業務を行うことで、電話やネットの料金をひとつの請求書にまとめることができる。主にコンシューマー向けだったこれらの決済サービスを、法人顧客にも強く訴求していくという方針が決まった。NTTグループの経営戦略とも密接に絡むこの方針を、形にできるか。

KENJI ASAKURA

ビリング事業本部 事業企画部
経済学部 経済学科 卒
2001年4月:
入社。リース事業本部 九州支店に配属。業界を問わず企業に対してリース営業の新規開拓等に従事。
2005年4月:
事業管理部 審査部門に異動。リース・ファイナンス案件の審査業務に従事。
2007年4月:
リース事業本部 北陸支店に異動。富山県担当として、県内のNTTグループ企業及び一般企業向けにリース商材のマーケット開拓を行う。
2011年4月:
経営企画部 企画部門に異動。全社経営戦略(中期経営計画の策定、企業理念体系の制定等)の立案・策定に従事。
2014年4月:
現職。ビリング事業に関する事業戦略の立案、企業様向け決済ソリューション営業の推進に従事。

RYOJI KAWAMURA

ビリング事業本部東京総合料金センター
料金企画部法人ビリングソリューション担当
教養学部 情報科学科 卒
2016年4月:
入社。ビリング事業本部・東京総合料金センターに配属。第一サービス部 料金サービス担当・債権管理担当・審査担当で業務を経験。料金業務の基礎知識を習得。
2016年11月:
第一サービス部 債権管理担当に配属。より細かな債権管理業務を経験。
2017年4月:
現職。おまとめ請求、回収代行サービス、カードタイアップ提案を中心に、法人のお客様への営業活動に従事。

いざ、法人向け営業へ。

「B to B to X」。NTTグループの中期経営計画に掲げられたテーマだ。ひとつめのB(NTTグループ)が先進的な提案を行うことで、ふたつめのB(取引先企業)は、その先のX(消費者・現場・店舗など)により付加価値の高いサービスを提供できるようになる。そんなモデルを確立することで、取引先にとってかけがえのないパートナーになっていくという考え方。

このテーマのもと、NTTファイナンスの決済サービス分野でも法人向け営業の強化へと大きく舵を切ることになった。具体的には、ビリング、ペイメント、クレジットカードというサービスを掛け合わせた決済ソリューションを、法人顧客へ展開していくというもの。

NTTファイナンスにとってもこれは好機だ。コンシューマー向けのビジネス展開が落ち着きを見せる今、法人顧客の開拓はビジネスの拡大に直結する。もちろん、これまで着手していないマーケットだけにウィークポイントはある。顧客基盤がないこともそのひとつだ。だがそこは、NTTグループ各社との連携によって補える。グループ各社にとっても、自社にはない決済ビジネスの知見を持つNTTファイナンスと組むことはプラスに働く。つまり、グループとしての相乗効果が見込める。

問題は「どんな業界の、どんな企業に、どんなサービスを提案するか」といった営業戦略がそもそも定まっていないこと。そして何より、提案を行う営業部隊そのものが存在しないことだ。それらの実現を託されたのが、ビリング事業本部で事業企画を手がける朝倉だった。

法人向け
決済ソリューション

チームプレイの達人たち。

朝倉はまず綿密な市場分析を行い、顧客となりうる企業や業界を洗い出した。その上で、実際に提案を行った場合の効果も検証していく。一方で、営業部隊の新設にも着手した。それまで決済サービスの営業拠点は、東京と大阪の計2か所のみ。これではとてもマーケットをカバーできない。そこで北海道から九州まで、全国計9ブロックにひとつずつ拠点を置くことになった。配属される人材は、請求・回収業務に携わっていたメンバーから約50名を抜擢。ただ、明確なマニュアルがあった請求・回収業務に比べると、営業活動はいわばアドリブの世界だ。本人たちにも、そして朝倉にも不安がなかったわけではない。

だが、朝倉はある確信も持っていた。請求・回収業務は、さまざまなプロセスを分担して進めるチームプレイだ。その現場にいたメンバーたちなら、情報をきちんと共有し、お互いに知恵を出し合うことに長けている。営業はともすれば一匹オオカミの仕事スタイルに陥りがちだが、それだけでは発揮できない強さを彼らはすでに持っている。手探りで進む場面も多そうなこのプロジェクトでは、チームプレイが大きくものを言うはずだ。

現実の洗礼。

そんな営業部隊に抜擢されたひとりが、入社2年目の川村である。1年目は債権管理業務に携わっていた。もちろん営業経験はゼロ。不安もあったが、期待はもっと大きかった。初体験の職種に、初体験のマーケット。ふたつが掛け合わさったプロジェクトの最前線に立つチャンスなど、めったにあるものではない。

とはいえ、現実は厳しい。研修でひと通りの知識を身につけ、どんな企業に提案をかけるべきか頭に入れたつもりだったが、いざ実行となると最初の一歩をどう踏み出せばいいかわからない。まずは動くしかないだろうとアポなし営業を試したが、ほとんど門前払い。だがここでさっそく、チームプレイが活きた。「今のは何がまずかったんだろう」、「こんなふうに切り出すべきだったんじゃないかな」。そんなやりとりが、メンバーの間で活発に行き交うようになったのだ。ノウハウの共有という意味ではもちろん、前向きな気持ちを維持する上でもこれは大いに役立った。

もちろん朝倉とも頻繁に連絡を取り合った。実際に営業活動をしてみると、不足しているリソースがよくわかる。「やっぱり専用の携帯電話は必要だ」「営業車もほしい」「こんな資料があったら助かる」。川村を始めとするメンバーたちの意見を朝倉はこまめに吸い上げ、実現していった。

さらに、NTTファイナンスとしては初の営業手法に挑むチャンスもやってきた。セミナーの主催だ。割賦販売法という法律が改正され、クレジットカードを取り扱う企業はセキュリティレベルの引き上げを求められることになった。そのレクチャーを行うセミナーを開き、法人顧客との接点をつくろうという狙いだ。前例がないだけに、セミナーの実行役である朝倉や、現場の川村たちがフローそのものから組み上げた。フタを開けてみれば、これが大盛況。全国7か所の会場は1000名を超える参加者で埋め尽くされた。

朝倉のある一日

9:00
チームミーティング。前週までの営業状況の確認。 必要な対策の整理・検討。
11:00
事業本部長も交えての戦略ミーティング。
12:00
ランチ。
13:00
全国の営業所長とテレビ会議。
15:00
外出。代理店と展示会出展に向けた打ち合わせ。
17:00
帰社。翌日に向けての資料作成。
17:30
帰宅。

川村のある一日

9:00
メールチェック、返信。
10:00
翌週の商談に向けたアポイント設定。 ミーティングに向けて議題項目の整理。
11:00
ミーティング。
12:00
ランチ。
13:00
商談用の資料作成。
14:00
クライアント回り。2社を訪問して提案活動。
17:00
出先より直帰。

走り続ければ、
フィールドは広がる。

プロジェクトが走り出してから、まだ半年。ようやく具体的な成果が上がり始めたところだ。それでも朝倉は、チャレンジ尽くしの半年を振り返って「満点だと思う」と言い切る。NTTファイナンスが手がける、法人向けの決済ソリューション。そのプレゼンスを、さまざまな取り組みを通じて社内外で高めることができたからだ。川村はさらに営業活動に力を入れ、顧客認知をいっそう深めていきたいと考えている。足場は着々と固まりつつある。

朝倉は、さらに大きなフィールドにも目を向けている。海外だ。NTTグループのグローバル展開が加速する今、海の向こうでも決済サービスに対するニーズは高まっている。これまでは国内を主軸に事業を展開してきたが、たとえば機械学習による翻訳精度の向上が進めば、言葉の壁を超えてNTTファイナンスの知見を輸出することもできるだろう。ある分野を極めれば、それはさまざまな枠を飛び越えて、求められる力になる。そんな手応えを朝倉は感じている。