【記載例】電子帳簿保存法に沿ったファイル名は3つの項目を入れるだけ
電子帳簿保存法におけるファイル名は、「取引年月日」「取引金額」「取引先名」の3項目を入れて検索機能の要件を満たすことが求められます。
保存要件に沿った適切な文書管理ができていないと、罰則を課せられるリスクもあるため注意しなければなりません。
そこで本記事では、
電子帳簿保存法に沿ったファイル名の付け方
ファイル名をつけた文章のフォルダの分け方
について解説します。
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>>【記載例】電子帳簿保存法に沿ったファイル名の付け方 <<
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電子帳簿保存法で規則的なファイル名を付けるべき理由
電子帳簿保存法で規則的なファイル名を付けるべき理由は、保存要件のひとつの「検索機能の確保」のなかで定められているからです。
検索機能の確保とは、簡単に言うと「電子帳簿保存法のルールどおり検索できる状態にしておきましょう」ということです。
ここでいう「ルール」とは、下記の3つの検索要件を指します。
※税務職員によるデータのダウンロードの求めに応じる場合は⑵、⑶は不要
この「検索要件」を満たす方法として、次の3つのうちいずれかを選択して対策しなければなりません。
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つまり、上記の2・3を選ばない場合、規則的なファイル名をつけて検索要件を満たす必要があります。
では、次の章で具体的なファイル名の付け方を見ていきましょう。
【記載例】電子帳簿保存法に沿ったファイル名の付け方
前述したとおり、電子帳簿保存法の保存要件に沿ったファイル名をつける際は、3つの検索要件を満たす必要があります。
※税務職員によるデータのダウンロードの求めに応じる場合は⑵、⑶は不要
したがって、下記の例のように「取引年月日」「取引先名」「取引金額」の3項目を含めて統一した順序でファイル名を付けましょう。
取引年月日 |
取引先名 |
取引金額 |
書類 |
2023年1月1日 |
NTTファイナンス株式会社 |
150,000円 |
見積書 |
2023年2月1日 |
国税工務店 |
320,000円 |
請求書 |
2023年3月1日 |
国税商事 |
120,000円 |
領収書 |
例1)230101_NTTファイナンス株式会社_150000_見積書.pdf 例2)230201_国税工務店_320000.pdf 例3)230301_国税商事_120000_領収書.pdf |
このように規則的なファイル名をつけると、メールで受け取る側も「どのような取引についての書類なのか」を一目で理解しやすくなります。
なお、メールで請求書を送る際は、改ざん防止のためにWordやExcelなどからPDF化して送るようにしてください。
ファイル名を付けた文書のフォルダの分け方
ここまで、電子帳簿保存法に沿ったファイル名の付け方を紹介しました。ここからは、ファイル名を付けた文書の「フォルダの分け方」をお伝えします。
フォルダの分け方に関しては、国税庁の公式サイト上で下記の回答が示されています。
問27 電子取引の取引データの保存について、複数の改ざん防止処置が混在することは認められていますか。また、電子データの格納先(保存場所)を複数に分けることは認められますか。 |
【回答】 電子取引の取引データの授受の方法は種々あることから、その授受したデータの様態に応じて複数の改ざん防止処置が混在しても差し支えありません。 また、電子データの格納先や保存方法についても、取引データの授受の方法等に応じて複数に分かれることは差し支えありませんが、電子データを検索して表示する場合には、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるように管理しておく必要があります。 |
出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】の問27|国税庁
国税庁は、電子データの授受に応じて複数に分けて保存しても構わないが「検索を求められたときに速やかに出力できるように管理すること」を必要としています。
もし適切にフォルダ分けできていないと、そのデータが「請求書」なのか、はたまた「領収書」なのかファイルを開かないと確認できません。
よって、そのようなケースは「速やかに出力管理できている」とは言い難い状況です。このような点を考慮し、使いやすく整理することが求められます。
例えば、下記の図のように「領収書」「請求書」「見積書」といった具合で、書類ごとにフォルダを分けるのも一つの方法です。
ただし、「フォルダを細かく分けると保存するときに大変」といった意見もあるため、社内で話し合って保存しやすい方法を取り入れてください。
また、電子帳簿保存法には、下記のとおり文書の保存期間が設けられています。
- 法人の場合:基本7年・最長10年
- 個人の場合:基本5年・最長7年
これだけの期間にわたり、フォルダ内で適切に保管しておかなければならないことも覚えておきましょう。
なお、電子帳簿保存法における保管期間に関しては、次の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。
電子帳簿保存法に対応したシステムの導入が便利
ここまで、電子帳簿保存法に沿ったファイル名の付け方やフォルダの分け方を紹介しました。
ファイル名は、法律で定められた要件を満たす必要があり、扱う文書量が多いほど管理が煩雑になりがちです。
しかし、検索要件を満たす方法は「規則的なファイル名の付与」だけではありません。下記3つのうち、いずれかの方法を実施できていれば「検索機能の要件」は満たせます。
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なかでも文書管理を効率化したい方におすすめなのが、検索要件に対応した専用システムの導入です。
例えば、NTTファイナンスの「楽々クラウド電子帳簿保存サービス by ClimberCloud」は、電子帳簿保存法のすべての保存区分に対応した文書管理システムです。
本サービスはデータの検索機能に対応しているため、規則的なファイル名をつけたりExcelなどで索引簿を作成したりする必要がありません。
幅広い帳票類に対応しており、扱う文書の種類や量が多ければ多いほど文書管理を効率化できます。
初期費用0円・月額900円からと低価格で始められる本サービスの詳細が気になる方は、下記からお気軽にサービス資料をダウンロードしてください。
電子帳簿保存法のファイル名に関してよくある3つのQ&A
最後に、電子帳簿保存法のファイル名に関してよくある3つの質問に回答します。
気になるものがあれば、ぜひチェックしてみてください。
Q1.請求書のファイル名の日付は取引年月日?それとも請求年月日?
請求書のファイル名の日付は、一般的に「請求年月日」を記載します。
例えば、請求年月日として4月30日が記載されている請求書のファイルを5月1日に電子メールで受け取った場合、ファイル名には4月30日を記載すれば問題ありません。
Q2.ファイル名の取引金額は税抜?それとも税込?
ファイル名に記載する取引金額について、基本的には「帳簿の処理方法(税込経理方式/税抜理方式)に合わせるべき」と考えられています。
ただし、受け取った国税関係書類に記載されている取引金額を検索要件の記録項目とすることも認められています。
帳簿の処理方法(税込経理/税抜経理)に合わせるべきと考えられますが、受領した国税関係書類に記載されている取引金額を検索要件の記録項目とすることとしても差し支えありません。 |
自社ではどのように記載するのか、事前に社内で示し合わせておくと良いでしょう。
Q3.電子帳簿保存法に沿ったファイル名にしない場合の罰則はある?
結論、電子帳簿保存法に沿ったファイル名で保管できていないと罰則を課せられるリスクがあります。
したがって、ファイル名をつけて保存する場合、下記のルールを遵守して検索要件を満たせるように対策しましょう。
- 「取引年月日」「取引金額」「取引先名」の3つの検索条件を設定する
- 「取引年月日」「取引金額」について範囲指定して検索ができる
- 「取引年月日」「取引金額」「取引先名」の2つ以上の複数の記録項目を組み合わせて検索できる
なお、電子帳簿保存法の罰則については、次の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。
電子帳簿保存法の要件に沿ったファイル名にしよう
【本記事のまとめ】
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電子帳簿保存法では、電子文書を取り扱う際のルールが細かく定められています。
検索機能の確保の要件を満たせるように、「取引年月日」「取引金額」「取引先名」の3項目を含めて規則的なファイル名をつけましょう。
なお、電子帳簿保存法の改正により、2024年1月以降すべての事業者に電子取引への対応が義務化されました。
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