経理業務のBPOとは?導入のメリットや失敗しない選び方を解説
複雑で専門性が高い経理業務の負担を軽減する手立てとして、BPOが注目されています。BPOとはビジネス・プロセス・アウトソーシングの略で、ある業務プロセスを専門業者に委託できるサービスです。
本記事では、経理業務のBPOで委託できる業務例から利用メリット、サービスの選び方や導入ステップまで網羅的に解説します。
自社に合った経理業務のBPOサービスを選びたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
なおNTTファイナンスでは、業務棚卸・可視化、標準化、効率化の3ステップで経理業務のお悩みを解決する「経理業務コンサルティングサービス」を提供しています。
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目次[非表示]
- ・経理業務のBPOとは?業務改善に向けた業務プロセスの外部委託
- ・BPOを利用するメリット6選。人手不足でも業務効率化できる
- ・メリット1.人材不足を解消できる
- ・メリット2.コスト削減になるケースがある
- ・メリット3.コア業務に集中できる
- ・メリット4.ブラックボックス化の解消・不正の防止に役立つ
- ・メリット5.プロのサポートを受けられる
- ・メリット6.DX推進に役立つ
- ・BPOのデメリットを回避するには?
- ・BPOサービスの選び方は?チェックしたい4つのポイント
- ・BPO導入までの3ステップ
- ・経理業務の効率化なら「楽々クラウド決済サービス」もおすすめ
- ・自社に合ったBPOサービスで経理業務を効率化しよう
経理業務のBPOとは?業務改善に向けた業務プロセスの外部委託
経理業務のBPOとは、自社で実施している経理業務を一部または一括で外部に委託することを指します。
単一で一時的な委託も多いアウトソーシングとは異なり、業務改善に向けたプロセスの見直しなど課題解決支援まで行われることも多いのがBPOの特徴です。
近年、働き方改革やDXに取り組む企業が増加しています。事業フローや社内のリソースの再構築でBPOへのニーズが高まっているため、今後ますますBPO市場は拡大していくでしょう。
|
出典:BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査を実施(2023年) /株式会社矢野経済研究所
経理業務のBPOサービスの種類
一般的にBPOは、システム運用などを請け負う「IT系」と、人事・総務などのバックオフィスや営業などのフロントオフィス業務を請け負う「非IT系」に分類できます。
分類上、経理業務のBPOは「非IT系」に含まれますが、近年はクラウド会計ツールなどITを活用するサービスも多く存在しています。
IT系 |
非IT系 |
---|---|
ITシステム関連の業務 データセンターやクラウドサービスなど |
IT以外の業務 カスタマーサポート、経理・財務など |
また、サービスの提供方法もさまざまです。主にリモートまたはBPO会社の拠点で業務を行う「オフサイト型」と、委託元のオフィスで業務を行う「オンサイト型」に分けられます。
自社の状況に応じて、サービスを検討するとよいでしょう。
オフサイト型 |
オンサイト型 |
|
---|---|---|
拠点 |
リモート or 他社拠点 |
自社オフィス |
やり取り |
電話やメールなど |
担当者と直接 |
コスト |
スケールによっては |
比較的高い |
セキュリティ |
委託先のセキュリティ体制による |
自社で管理ができる |
なお上記以外にも、小規模の事業者を中心に、税理士や会計事務所に業務を依頼するケースが存在します。税務リスクを回避しつつ、記帳代行などを依頼できるメリットがあります。
BPOで委託できる経理業務の例
経理業務のBPOでは、例えば下記の業務を委託することができます。自社の業務でボトルネックになっているものはないかチェックしてみましょう。
伝票・仕訳入力 |
取引内容を会計ソフトに入力する作業 |
支払処理 |
請求書管理や、インターネットバンキングに取り込むデータの作成 |
請求書作成・発送 |
取引先への請求書作成・発送 |
入金消込 |
取引先からの入金確認や、売掛金の消込 |
交通費精算 |
申請内容の確認・承認・差し戻し |
年末調整 |
申告書の内容確認、各種必要書類の作成 |
月次決算 |
損益計算書や貸借対照表といった決算書類の作成 |
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BPOを利用するメリット6選。人手不足でも業務効率化できる
経理業務をBPOするメリットとして、下記の6点が挙げられます。
ここでは各メリットを詳しく解説します。
メリット1.人材不足を解消できる
まず、経理業務をBPOすることで社内の人材不足を解消できます。
専門性の高い経理人材は確保が難しく、慢性的に人手不足になる傾向があるので、BPOに委託するメリットは大きいといえるでしょう。
メリット2.コスト削減になるケースがある
繁忙期の水準に合わせて人材を確保する必要がなくなるため、閑散期の人件費の無駄を抑えられるのもメリットです。人材確保のための採用・教育コストもあわせて削減できます。
BPO業者の拠点など社外で業務を行うオフサイト型サービスであれば、オフィススペースや備品などの経費も削減可能です。
メリット3.コア業務に集中できる
ノンコア業務とされる伝票入力や請求書作成といった煩雑な業務を外部委託することで、より重要度の高いコア業務にリソースを投下できます。
経営戦略やキャッシュフローの管理などの重要な業務に、担当者が注力できるようになるでしょう。
メリット4.ブラックボックス化の解消・不正の防止に役立つ
特定の担当者に負担が偏って属人化していた業務も、BPOすることで可視化されるようになります。外部からのチェック機能が働くため、ミスや不正の発見が容易になるでしょう。
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メリット5.プロのサポートを受けられる
BPOでは、最新の会計知識や法規制に精通した専門業者のサポートを受けられます。
業務フロー改善に向けて多くの実績に基づいたアドバイスを受けられたり、法改正時には社内の知識やフローの刷新にかかる手間が省けたりと、大きなメリットが得られます。
メリット6.DX推進に役立つ
最新のクラウド会計ソフトやAIツールを提供しているサービスも多数あります。
社内の手間を抑えてペーパーレス化や業務の自動化を実現でき、業務プロセス全体の効率化を図ることが可能です。
BPOのデメリットを回避するには?
一方、経理業務をBPOする際にはデメリットもあります。主なデメリットとその対策を把握したうえで、自社に合うサービスを選定しましょう。
デメリット |
対策例 |
---|---|
社内でノウハウの蓄積や |
|
委託コストがかかる |
以下のコストを考えて、トータルで見た場合に
|
情報流出リスクがある |
|
BPOサービスの選び方は?チェックしたい4つのポイント
いざ経理業務をBPOしようと思っても、さまざまなサービスがあるので迷ってしまうケースもみられます。
そのようなとき、自社に合ったBPOサービスを選定するためにチェックしておきたいポイントは次の4つです。
ここからは各項目を詳しく解説します。
1.サービスの範囲
BPO業者によって委託できる業務範囲は異なります。下記の観点を中心に、自社のニーズを満たすサービスなのか判断するのがおすすめです。
項目 |
チェックする内容 |
---|---|
業務カバー範囲 |
委託したい業務(伝票入力、決算、決算処理など)のカバー状況を確認 |
カスタマイズ性 |
ニーズに合わせてサービス内容をカスタマイズできるか確認 |
付加価値 |
フローの改善提案や、最新の会計制度に関するアドバイスの有無を確認 |
スケーラビリティ |
業務量の追加に応じてサービス範囲を柔軟に調整できるか確認 |
2.実績
企業規模や業種、受注してきた業務範囲などもチェックしましょう。
自社の要望や課題に近い実績があるBPOサービスなら、課題解決に向けて適切なアドバイスがもらえる可能性も高まります。
過去の導入事例を見ると、自社に導入した場合の効果もイメージしやすくなります。
項目 |
チェックする内容 |
---|---|
業界経験 |
自社と同じ業界での経理BPO実績を確認 |
導入事例 |
具体的な導入事例や成功事例を確認 |
専門性 |
経理・会計の専門知識を持つスタッフの有無を確認 |
顧客評価 |
既存顧客からの評価や口コミを確認し、サービスの質を確認 |
3.費用
費用面のチェックも重要です。単純に料金体系を確認するだけではなく、BPO導入によるコスト削減効果も事前に把握しておきましょう。
項目 |
チェックする内容 |
---|---|
料金体系 |
固定費か変動費か、また従量制か定額制かなど、料金体系を確認 |
コスト削減効果 |
BPO導入によるコスト削減効果の試算を依頼 |
隠れコスト |
初期設定費用や追加オプション費用など、隠れコストがないか確認 |
契約期間 |
最低契約期間や契約条件を確認し、契約の柔軟性を確認 |
4.セキュリティ
経理業務では会社にとって重要なデータを取り扱うため、委託先のセキュリティ対策はしっかり確認しましょう。
情報漏洩リスクを回避できる委託先なのか確認するポイントとして、次のような項目が挙げられます。
項目 |
チェックする内容 |
---|---|
情報管理体制 |
ISO27001などの情報セキュリティマネジメントシステムの認証取得状況を確認 |
データ保護 |
データの暗号化・バックアップ・アクセス制限などのセキュリティ対策状況を確認 |
コンプライアンス |
法令遵守の体制や、個人情報保護法への対応状況を確認 |
物理的 セキュリティ |
オフィスや作業場所のセキュリティ対策(入退室管理など)を確認 |
なお下記の記事では、おすすめの経理代行サービス10選や委託の相場感を紹介していますので、併せてチェックしてみてください。
BPO導入までの3ステップ
続いて、BPOを導入する場合の手順もイメージしておきましょう。BPO導入までのステップは下記のとおりです。
1.BPOする業務を決定
2.BPOサービスを選定
3.契約して委託開始
各ステップについて具体的な手順を解説します。
STEP1.BPOする業務を決定
<具体的な手順>
|
人手不足の解消や特定の業務の効率化など、企業によってBPOの目的は異なります。目的や委託する業務範囲・予算をあらかじめ明確化しておけば、このあとのサービス選定がスムーズに進みます。
業務や課題の洗い出しは、実際に業務に携わっている担当者へのヒアリングが有効です。
STEP2.BPOサービスを選定
<具体的な手順>
|
ここでは複数の会社から見積もりを取るだけではなく、やりとりの過程でコミュニケーションの取りやすさを確認することも大切です。実際に委託をしたあとの要望の出しやすさや、作業の透明度に差が出る可能性があります。
STEP3.契約して委託開始
<具体的な手順>
|
委託先を決めたら、業務委託の範囲・期間・価格などについて最終調整し、契約をします。契約時には、守秘義務や契約解除条件なども確認しておきましょう。
その後、具体的な業務の流れやスケジュールを打ち合わせして委託開始です。定期的に委託先からの報告書を確認して継続的な改善を行うと、より効果的に業務効率化を進められます。
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自社に合ったBPOサービスで経理業務を効率化しよう
【本記事のまとめ】
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専門性の高さゆえに人材不足に陥りやすい経理部門では、BPOを導入することで業務効率化が期待できます。うまく活用すると、企業価値の向上や利益拡大につながります。
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