【決定版】入金処理とは?業務の流れから効率化の方法まで詳しく解説

入金処理とは、取引先からの入金を確認し、請求データの消込を実施して会計帳簿へ正しく反映させるまでの一連の流れをさします。資金繰りの把握や債権管理の精度に直結するため、経理部門における中核的な業務プロセスです。
当然、不適切な運用は予期せぬトラブルを招くおそれがあるため、しっかりとした理解が必要です。そこでこの記事では、下記の内容を紹介します。
- 入金処理の5つのステップと具体的な作業
- 入金処理で注意すべきチェックポイント
- 入金処理でよくある課題とトラブル事例
- 入金処理を効率化する方法
入金処理について詳しく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、NTTファイナンスでは、入金処理の負担軽減に役立つ「回収代行サービス」を提供しています。回収代行サービスは、請求データの作成から入金管理までをNTTファイナンスが一括して代行し、企業の業務効率化を支援するサービスです。
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入金処理とは?

入金処理とは、売掛金が支払期日までに入金されたことを確認し、入金消込作業を行うまでの一連の業務プロセスです。
「入金処理」と「入金消込」は似た響きであり、間違われやすい言葉です。本章では、意味の違いや入金処理が重要な理由についても触れていきます。
「入金処理」と「入金消込」の違い
入金処理と入金消込は混同されやすい用語ですが、両者には明確な違いがあります。入金処理は、入金予定の確認から銀行口座での入金確認、消込作業、未入金の催促まで含む業務フロー全体を指す包括的な概念です。
一方、入金消込は入金処理の中に含まれる特定のタスクを意味します。具体的には、銀行口座に入金された金額と特定の請求書を結びつけ、会計帳簿上でその請求が「支払い済み」であることを記録する作業のことです。
項目 | 入金処理 | 入金消込 |
位置付け | 入金業務の全体像 | 入金業務フローの一部 |
主な内容 |
などを含む一連の業務 | 入金金額と請求書を突き合わせ、会計帳簿上で「支払い済み」と記録する作業 |
目的 | 資金の回収と売掛金の正確な管理 | 売掛金残高を確定させ、未回収の請求を明確化する |
この違いを理解していないと、銀行口座の残高が増えた時点で業務が完了したと錯覚してしまいます。
どの取引先のどの請求に対する入金なのかを特定し、帳簿に正確に反映させる消込作業まで完了して初めて「入金処理が終わった」といえます。
なお、「入金消込」の詳細については、下記の記事をご参照ください。
入金処理が重要な理由
入金処理は単なる帳簿付けの作業ではなく、企業経営に影響を与える重要な業務です。その理由は下記のとおりです。
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さらに、未回収金を早期に発見することで貸し倒れのリスクを最小限に抑えられます。正確な財務諸表作成の基礎となり、適正な納税額の算出も可能になります。
入金処理の5つのステップと具体的な作業

入金処理の全体的な流れを5つのステップに分けて、それぞれの具体的な作業内容を解説します。
入金処理は複数のステップから成り立つ業務プロセスです。さっそくみていきましょう。
ステップ1.入金予定の事前確認
入金処理の最初のステップは、発行済みの請求書に基づいて入金予定リストを作成することから始まります。
このリストには、最低でも下記4つの情報を含めることが大切です。
【含めるべき情報】
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事前に入金予定を整理しておくと、後の照合作業がスムーズになります。また、キャッシュフローを予測して資金繰りを計画するうえでも欠かせない準備段階です。
ステップ2.銀行口座での入金確認
支払期日が来たら、インターネットバンキングや預金通帳を通じて、実際に入金があったかを確認します。この段階では、「取引先から期日までに何らかの入金があったか」を確認する最初のチェックポイントです。
ただし、複数の請求がまとめて入金されたり、一部のみが入金されたりするなど、請求額と入金額が一致しないケースは頻繁に発生します。
入金額や振込名義人などの詳細情報もしっかりと記録しておきましょう。
ステップ3.売掛金との照合作業
確認した入金情報を、売掛帳(得意先元帳)に記録されている未払いの請求書と照合していきます。
【チェック内容】
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照合の結果、金額が一致しない場合は原因を特定する必要があります。振込手数料の差し引きや消費税の端数処理の違い、買掛金との相殺など、さまざまな理由が考えられます。
ステップ4.入金消込の実施
照合作業で入金と請求の対応関係が確認できたら、入金消込を実施します。これは、会計帳簿上で該当する売掛金を「回収済み」として処理し、債権を消滅させる作業です。
具体的には、会計ソフトや売掛帳に入金日と入金額を記録し、その請求書に対する売掛金残高をゼロにします。
消込作業では入力ミスや消込漏れが発生しやすいため、慎重で厳重な確認が必要です。
ステップ5.未入金の催促と残高確認
期日を過ぎても入金が確認できない場合は、まず自社側に原因がないかを確認します。請求書の送り忘れや振込先口座の案内ミスなどがないか、徹底的にチェックしましょう。
自社内で確認して問題が取引先側にあると判断された場合に限り、メールや電話で丁寧に連絡を取ります。
一連の消込作業が完了したら、最後に売掛金の期間別の残高一覧(売掛年齢表)などを確認し、処理した入金が正しく反映されているかを検証します。
入金処理で注意すべき3つのチェックポイント

入金処理を正確に行うためには、いくつかの重要なチェックポイントがあります。ここでは、入金確認時に特に注意すべき3つのポイントについて解説します。
ポイント1.請求金額と入金額の一致を確認する
入金処理で最も基本的なチェックポイントは、請求金額と入金額が一致しているかの確認です。金額が一致しない場合、振込手数料を差し引いて入金されているケースが最も多くみられます。
その他にも、消費税の端数処理の違いで1円単位のズレが生じることや、取引先が意図的に一部のみを入金している場合もあります。
差額が発生した際は安易に推測せず、契約書や取引条件を確認したうえで、必要に応じて取引先に問い合わせることが重要です。
ポイント2.振込名義人と取引先名の照合を行う
請求書の宛先と実際に振込を行う名義人の名称が異なるケースがあります。
【名称が異なるケース】 「株式会社NTT商事」宛に発行したにもかかわらず、振込人名義が「スズキ イチロウ」となっている。 |
このような場合、どの請求に対する入金か特定できず、消込作業が滞ってしまいます。
振込名義が異なる入金を発見したら、絶対に憶測で紐付けを実施してはいけません。担当者に事前情報がなかったか確認し、取引先に「この名義での入金は御社からのものか」と丁寧に確認を取りましょう。
ポイント3.買掛金との相殺が発生していないか確認する
取引先が自社に対して債権(自社側の買掛金)を持っている場合、その金額を売掛金から差し引いて入金することがあります。これを「相殺」と呼びます。
相殺が発生すると請求額より少ない金額しか入金されないため、一見すると未入金や入金ミスのように見えてしまいます。入金額が請求額と異なる場合は、社内の仕入担当部署に連絡し、その取引先からの請求(買掛金)が存在するかを確認しましょう。
相殺の事実が確認できたら、適切な会計処理を行います。
入金処理でよくある3つの課題とトラブル事例

入金処理の現場では、さまざまな課題やトラブルが発生します。特に頻繁に起こる下記の3つの課題について解説します。
課題1.人為的ミスやヒューマンエラーの発生
入金処理で最も多い課題が、人為的ミスやヒューマンエラーの発生です。
【よくあるミス】
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例として、100,000円の入金を1,000,000円と入力してしまうケースや、A社への入金をB社の請求に誤って消し込んでしまうケースがあります。
こうしたミスが発生すると、売掛金残高が不正確になり、誤った催促を送付してしまうおそれがあります。取引先との信頼関係を損ない、ビジネスに悪影響を及ぼすおそれが高まるので注意が必要です。
課題2.業務の属人化による引き継ぎの困難さ
入金処理の業務が特定の担当者にしか理解できない状態になる「属人化」も大きな課題です。長年担当している社員が独自のルールやExcelファイルで管理している場合、他の社員には内容がわかりにくくなるケースもあります。
この状態では担当者が休暇を取ったり退職したりした際に、他の社員では対応できないといった懸念が生じます。また、引き継ぎに膨大な時間がかかり、その間にミスが多発するリスクも高まります。業務の標準化やマニュアル化を進めることが、属人化解消のポイントです。
なお、NTTファイナンスでは経理の現場で得た知見とノウハウ・豊富な実績をもとに、経理業務の可視化をサポートいたします。個人に偏る傾向がある業務を洗い出してマニュアル化し、業務改善の推進や組織力向上を支援する経理業務可視化サービスの詳細は、下記から資料をダウンロードしてご確認ください。
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課題3.業務負荷の増大による処理の遅延
事業が成長し取引件数が増えると、入金処理にかかる時間も比例して増大します。毎月数十件程度であれば手作業でも対応できますが、数百件、数千件となると、経理担当者の業務負荷は限界に達します。
処理が追いつかなくなると入金確認や消込作業が遅れ、未入金なのか処理漏れなのか判断がつかない状態に陥ります。その結果、キャッシュフローの把握が遅れ、資金繰りの判断ミスにつながることも考えられます。こうした事態を防ぐには、業務量に応じたシステム化やプロセス改善を進めることが必要です。
次の章で入金処理を効率化する2つの方法を紹介するので、このまま読み進めてみてください。
入金処理を効率化する3つの方法

入金処理の課題を解決し、業務を効率化するためには、テクノロジーの活用が有効です。入金処理を効率化する代表的な3つの方法について解説します。
方法1.Excelの関数やマクロで自動化する
事業開始当初や取引件数が比較的少ない段階では、Excelの関数やマクロ(決まった作業の手順を自動で繰り返すための仕組み)を活用した自動化が手軽な選択肢です。VLOOKUP関数やIF関数を使えば、入金データと請求データを自動で照合できます。
また、マクロ(VBA)を使えば繰り返し行う作業を自動化し、手入力の時間を大幅に削減できます。ただし、Excelでの管理にはヒューマンエラーのリスクや、ファイルが複雑化して属人化しやすいという課題があります。
取引件数が増えてきたら、次のステップとして専用システムの導入を検討しましょう。
方法2.入金管理システムやツールを導入する
取引件数が増加してExcelでの管理に限界を感じたら、入金管理システムやツールの導入を検討しましょう。サービスによって異なりますが、入金管理システムの主な機能は下記のとおりです。
【入金管理システムの主な機能】
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クラウド会計ソフトには銀行口座との自動連携機能があり、入金データを自動で取り込めるものもあります。
システム導入による自動化で手作業でのミスが劇的に減少し、経理担当者は単純作業から解放されるのがメリットです。リアルタイムで入金状況を把握できるため、キャッシュフロー管理の精度も向上します。
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方法3.回収代行サービスを導入する

入金処理の負担を軽減したい場合は、専門事業者に代行してもらう方法があります。
例えば「回収代行サービス」は、エンドユーザーへの請求から入金消込までをNTTファイナンスが一括して代行し、企業の業務効率化を支援するサービスです。入金状況をWeb上の管理画面でリアルタイムに確認できるため、入金確認の負担軽減が実現できます。
さらに、下記のように顧客が選択できる支払い方法が30種類以上と豊富なため、顧客満足度が高い点も大きなメリットです。
※電話料金合算とは、NTTグループ各社の通信料金などと一緒に請求する支払い方法です。 |
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【本記事のまとめ】
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入金処理は経営における大事な業務であり、一つひとつのタスクの重要性が高い業務です。できる限りシステムの導入を行い、ミスの削減と効率化をめざしましょう。
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