売掛金の回収は「順番」が重要!初動対応〜法的手段まで実務フローで解説

売掛金を確実に回収するには、正しい順番で進めることが大切です。間違った順番で実施してしまうと、取引先との関係が修復不能になったり、費用倒れになったりするリスクがあります。
そこでこの記事では、売掛金の回収に関する内容を順番(フェーズごと)に紹介します。リスクを最小限に抑えながら売掛金の回収をしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
なお、売掛金の回収業務そのものを強化する前に、未回収を生みにくい仕組みを整えることも一つの手です。例えば、NTTファイナンスの回収代行サービスでは、NTTファイナンスオリジナルの電話料金合算を提供しています。口座振替や請求書払いに加え、NTTグループ各社の通信料金などと一緒に請求する支払方法のため、支払漏れや遅延が発生しにくく、高い回収率が期待できるお支払方法です。
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目次[非表示]
フェーズ1.売掛金の回収が遅れたときの3つの初動対応

売掛金の回収が遅れ始めたら後回しにせず、すぐに手を打つことが重要です。まずは押さえておきたい初動対応を、3つに絞って紹介します。
対応1.取引先に連絡して遅延理由を確認する
支払いが遅れていることに気付いたら、まず取引先へ電話やメールで連絡を取りましょう。単純な振込ミスや請求書の送付忘れなど、すぐに解決できるケースも少なくありません。
連絡の際に確認する主な内容は、下記のとおりです。
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相手の反応や回答内容から、資金繰りの状況や支払意思の有無をある程度把握できます。初動段階でのやり取りは後の法的手続きで証拠になる可能性があるため、メールやチャットなど記録が残る方法で行うのが望ましいです。
なお、売掛金の回収対応を進めるうえでは、「未入金」とはどのような状態をさすのか、放置するとどのようなリスクがあるのかを整理しておくことも重要です。
未入金の定義や発生時の対応手順、未然に防ぐための考え方については、下記の記事をご覧ください。
対応2.相殺できる債権がないか調べる
取引先に対して自社が買掛金を持っている場合、その金額を売掛金と「相殺」できる可能性があります。
【買掛金とは】 仕入れや経費の支払いなどで、まだ取引先に支払っていない代金(負債・債務)のこと 【相殺とは】 お互いの債権・債務を差し引きして清算する方法のこと |
例えば、相手に100万円の売掛金がある一方で、自社が相手に30万円の買掛金を持っていれば、差額の70万円だけを請求できます。可能であれば事前にすり合わせたいところではありますが、相殺は相手の同意がなくても、一方的な意思表示で成立させることが可能です。
取引先の経営状態が悪化している場合、現金での回収が難しくなる前に相殺での処理を検討しましょう。
対応3.契約書の「期限の利益喪失条項」を確認する
契約書に「期限の利益喪失条項」が含まれているかを確認してください。この条項があれば、相手が一度でも支払いを怠った場合に、分割払いの残額すべてを一括請求できます。
【期限の利益とは】 支払期日まで代金を払わなくて良いという債務者の権利のこと |
通常、分割払いなら「来月の分は来月払えばいい」という権利(利益)があります。しかし、約束を破った(支払いを怠った)場合、その権利を没収する(=喪失させる)のがこの条項です。
この権利を「喪失させる」条項があれば、まだ到来していない分も含めて全額を請求できるようになります。
参考:民法|e-GOV 法令検索(第135条「期限の到来の効果」〜137条「期限の利益の喪失」)
逆にいえば、「期限の利益喪失条項」が記載されていない状態では、期日が来ていない分は請求できません。今後の契約書作成時には、必ず「期限の利益喪失」条項を盛り込むことをおすすめします。
フェーズ2.話し合いで売掛金を回収する5つの方法

初動対応で相手の状況を把握したら、次のフェーズとして話し合いによる売掛金回収に移ります。法的手段をとる前に、まずは話し合いでの解決を試みましょう。
コストを抑えながら、取引先との関係を維持できる可能性がある方法を5つ紹介します。
方法1.債務確認書で未払金の存在を明確にする
まず取引先に「債務確認書」への署名を求め、未払金の存在を書面で確認します。
【債務確認書とは】
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この書類を取得する最大のメリットは、売掛金の時効をリセットできる点です。債務者が債務を「承認」したことになるため、その時点から新たに時効期間がスタートします。
また、後に裁判になった場合でも、相手が債務の存在を認めた有力な証拠として活用できます。口頭での約束だけでなく、必ず書面に残すことを意識しましょう。
方法2.決算書を提出させて支払能力を把握する
取引先に決算書の提出を求め、実際に支払う能力があるのかを確認します。決算書を見れば、現預金の残高や他の債権者への支払状況の把握が可能です。
提出を求める際は「自社の経理監査で必要」といった理由を伝えると、相手も応じやすくなります。同時に「この債権者は本気で管理している」という心理的なプレッシャーを与える効果も期待できます。
もし提出を拒否された場合は、支払意思や経営状況に問題がある可能性が高いです。早めに法的手段への移行を検討しましょう。
方法3.分割払いや支払期日の延長を交渉する
相手側に「一括支払い」が難しい事情がある場合、分割払いや支払期日の延長を提案するのも現実的な選択肢です。全額回収できないリスクを少しでも減らすため、柔軟な対応が必要になる場面もあります。
【重要ポイント】
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安易に猶予を与えすぎると、相手が他の債権者への支払いを優先してしまうおそれがあります。支払いスケジュールは具体的な日付と金額を明記し、進捗を定期的に確認しましょう。
方法4.担保や連帯保証人の追加を求める
支払いが不安定な取引先には、担保の設定や連帯保証人の追加を求めることで回収の確実性を高められます。万が一相手が倒産しても、担保や保証人から回収できる可能性が残ります。担保にできるものは次のとおりです。
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売掛金を担保にする「債権譲渡担保契約」を結べば、買い主が破産した場合でも買い主の取引先から支払われる売上代金を、自社が優先的に受け取れるようにする仕組みを構築できます。
買い主自身に資産がない場合でも、代表者個人に資産があるケースでは「連帯保証人」になってもらえば回収可能性が高まります。将来訴訟になった際も保証人の資産に対して請求できるため、実務上非常に重要な対策です。
すでに支払いが遅れている状況で追加の担保を求めるのは難しい交渉になります。ただ、「今後も取引を継続する条件」として提示すれば相手も検討せざるを得ないので有効な手段です。
方法5.入金口座を自社口座へ変更させる
取引先が商品を転売している場合、転売先からの入金口座を自社の口座に変更させる方法が有効です。取引先の口座を経由せず、売上代金を直接回収できるようになります。
資金繰りが悪化した会社の口座にお金が入ることで考えられるリスクは、下記のとおりです。
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入金ルートを変更すれば、こうしたリスクを回避して確実に回収できます。
口座変更は「商社」や「卸売業者」など、転売を行う取引先に対して特に効果的です。交渉する際には、入金先変更に同意する書面を取り交わしておきましょう。
ここまで紹介した方法はいずれも有効ですが、取引先ごとに交渉・確認・書面対応を行う運用は、件数が増えるほど担当者の負担が増加しかねません。
特にスタートアップやアプリの新規開発企業では、事業成長にともなって請求・入金管理が急激に複雑化し、本来注力すべき開発や改善業務の時間を圧迫しがちです。
フェーズ3.法的手段で売掛金を回収する4つの方法

話し合いで打開できない場合は、タイミングを見計らって法的手段に踏み出す必要があります。
内容証明郵便から強制執行まで、よく使われる4つの手続きを順番に追っていきます。実際に手続きを行う場合は弁護士に相談するなどして、専門家を頼りましょう。
方法1.内容証明郵便を送付する
まずは、売掛金の支払いを正式に請求した事実を公的に残すため、内容証明郵便を送付します。内容証明郵便とは、「いつ・誰が・誰に・どのような内容の文書を送ったか」を日本郵便が証明してくれる特殊な郵便です。費用は加算料金として480円程度(※)で済みます。
※2025年12月時点
出典:内容証明|日本郵便
内容証明郵便には3つの効果があります。
【3つの効果】
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ただし、時効の猶予は一度しか使えません。6ヵ月以内に訴訟などの手続きを取らなければ時効が成立するため、次のアクションも計画しておきましょう。
方法2.支払督促を申し立てる
内容証明郵便を送付しても支払いに応じない場合は、裁判所を通じて支払いを命じてもらうため、支払督促を申し立てます。支払督促とは、裁判所での審理を行わず、書類審査だけで裁判所が支払いを命じてくれる手続きです。費用は訴額(訴訟する金額)に応じて変動し、10万円までは500円、100万円で5,000円かかります。
参考:支払督促 | 裁判所
申立先は相手方の住所地を管轄する簡易裁判所です。相手が異議を申し立てなければ、そのまま強制執行が可能な「債務名義」を取得できます。
注意点として、相手が異議を申し立てると自動的に通常訴訟へ移行します。その場合、裁判は相手の住所地で行われるため、遠方の取引先に対しては出張の負担も考慮して判断してください。
方法3.少額訴訟を起こす
請求額が60万円以下の場合、少額訴訟という簡易な裁判手続きを利用できます。原則として1回の審理で判決が出るため、スピーディーな解決が期待できます。
参考:少額訴訟|裁判所
通常訴訟と比べて手続きが簡単なので、弁護士に依頼せず自分で進められる方もいます。証拠書類や契約書を準備して、管轄の簡易裁判所に申し立てましょう。
ただし、相手が「通常訴訟への移行」を求めた場合は拒否できません。また、同一の簡易裁判所での利用は年10回までという制限もあるため、複数の債権を抱えている場合は注意が必要です。
方法4.通常訴訟・強制執行を実施する
「請求額が大きい場合」や「相手が徹底的に争う姿勢を見せている場合」は、通常訴訟が最終手段です。勝訴すれば判決書という「債務名義」を得られ、強制執行が可能になります。
参考:通常訴訟|裁判所
強制執行では、相手の預金口座や売掛金、不動産などを差し押さえられます。預金口座の差し押さえは確実性が高い方法ですが、金融機関名と支店名を自分で特定する必要がある点に注意してください。
通常訴訟は解決まで半年〜1年以上かかることもあり、弁護士費用も数十万円以上になる可能性があります。回収見込み額と費用を比較し、費用倒れにならないか慎重に判断しましょう。
【費用倒れとは】
例:50万円の売掛金を回収するために弁護士費用が60万円かかってしまい、結果としてマイナス10万円になって損をする |
これまで説明してきたとおり、売掛金の回収対応は人的コストや対応時間がかかる業務です。未回収が発生するたびに個別対応を行うのではなく、そもそも遅延や未回収が起きにくい運用を整えることが、実務負担の軽減につながります。
次の章で売掛金の未回収を未然に防げるサービスを紹介しますので、ぜひこのまま読み進めてみてください。
売掛金の未回収を未然に防ぐなら「回収代行サービス」がおすすめ

「回収代行サービス」は、NTTファイナンスが導入企業とエンドユーザーの間に入り、自社商品やサービスの対価となる料金を代わりに回収するサービスです。
ここでは売掛金の回収において、回収代行サービスがおすすめの理由を3つ紹介します。
理由1.決済方法を柔軟に選べる
NTTファイナンスの回収代行サービスは、全国の主要な金融機関をはじめとした30種類以上の決済方法に対応しており、法人・個人にかかわらず利便性の高い選択肢を提供します。一般的な代行サービスでは「決済方法は一式セット」になっていることが多いですが、回収代行サービスは必要な決済方法だけを選んで導入できます。
エンドユーザーが選択できる支払方法は次のとおりです。
※電話料金合算とは、NTTグループ各社の通信料金などと一緒に請求するお支払方法です。 |
「Aは欲しいが、Bは不要」という選び方ができるため、顧客層に合わせた最適な支払方法を提供できます。支払いやすさが向上し、未払い防止につながる設計になっているのも特長です。
さらに、追加手数料なしで利用者がコンビニ払込票のバーコードをスマートフォンで読み込むだけで、コンビニに行かずに決済できる点もメリットといえます。
理由2.入金状況を判別し、消込を自動反映できる
エンドユーザーごとに入金があったかをサービス側で判別し「どのエンドユーザーのいつの請求分を消し込みました」という情報を自動で反映できるため確認漏れを防げます。
通常の回収代行は集金で終わりますが、NTTファイナンスの回収代行サービスは消込業務まで自動反映できるため、経理部門の負担軽減が可能です。
また、口座振替などの処理結果をWeb上の管理画面でリアルタイムに確認できます。営業担当者はすぐにエンドユーザーの入金状況を把握し、必要に応じて迅速な対応が可能です。
理由3.全国の営業担当者による万全なサポート体制がある
導入後や運用中に課題が発生した場合も、全国に配置された営業担当者により迅速にサポートを受けられるため安心です。すべての加盟店さまに営業担当者がいるため、Webや訪問による丁寧なサポートを提供しています。
運用に迷った際は、他の加盟店さまの成功事例をもとに具体的なアドバイスを受けることができる点は大きな価値です。
システム運用が安定することで請求ミスや請求漏れを防ぎ、そもそもの未回収リスクを最小限に抑える効果が期待できます。
口座振替前の事前案内にも対応している回収代行サービスの詳細を知りたい方は、下記のバナーからダウンロードできる資料をご覧ください。
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売掛金が回収不能になった場合の3つの税務処理

あらゆる手段を尽くしても回収できない場合は、「貸倒損失」として経費計上することで税負担を軽減できます。
ただし、国税庁の認定基準は厳格なため、下記3つの区分を正しく理解しておきましょう。
処理1.法律上の貸倒れ
法律上の貸倒れとは、債権そのものが法的に消滅したケースのことです。この場合、消滅した金額の全額をその事業年度の損金として計上できます。
例えば、下記のような場合が該当します。
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また、相手の債務超過が長期間続いて回収の見込みがない場合に「債務免除通知」を内容証明郵便で送るのも一つの方法です。
債務免除通知は「回収を諦める」という意思表示ですが、これを書面で行うことで税務上の損金要件を満たせるため、戦略的に活用されることがあります。
処理2.事実上の貸倒れ
事実上の貸倒れは、法的には債権が残っているものの、実質的に全額回収できないことが明らかな場合に適用されます。相手の資産状況や支払能力から判断して、回収不能と認められる必要があります。
【注意点】
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税務調査で否認されないためには、相手の「財務状況を示す資料」や「回収に向けた交渉経緯の記録」を証拠として保管しておくことが重要です。
処理3.形式上の貸倒れ
形式上の貸倒れは、中小企業で最も多く使われる処理方法です。
継続的に取引していた相手との取引が停止し、最後に入金があった日、または取引から1年以上経過した売掛債権に適用できます。備忘価額として1円を残し、残額を損金として計上します。
なお、この処理が認められるのは売掛債権のみで、貸付金には適用できない点に注意してください。もう一つの適用条件として、取立費用が債権金額を上回るような少額債権も対象になります。数千円程度の未回収金であれば、1年を待たずに処理できる可能性があるため、税理士に相談してみましょう。
売掛金の未回収はできる限り未然に防ごう

【本記事のまとめ】
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売掛金の未回収への対応は、実はかなり労力がかかります。本来は請求書を提出して支払期日に振り込まれるのを待つだけです。しかし、さまざまな確認や連絡などが発生し、コア業務とは別の労力がかかってしまいます。
未回収が発生した場合は本記事で紹介したフェーズを参考にして、効率よく対応してみてください。
なお売掛金の未回収を防ぐには、売掛金の回収を代行してくれるサービスの導入がおすすめです。例えば、NTTファイナンスの「回収代行サービス」は、導入企業と利用者の間に入り、自社商品やサービスの対価となる料金を代わりに回収してくれるサービスです。
未回収が発生する前の段階の請求・入金管理プロセスを徹底的に効率化し、回収リスクを未然に軽減します。当サイトでは、回収代行サービスの導入事例を無料で配布していますので、お気軽に下記のバナーからダウンロードしてみてください。




