掛け払いとは?後払いとの違い・メリットやデメリット・サービスの選び方を網羅的に解説

掛け払いとは、企業間(BtoB)の取引で利用される決済方法です。商品やサービスを提供した後、あらかじめ定めた期日までにまとめて支払う仕組みで、取引をスムーズに進められる一方、未回収リスクや請求業務の負担といった課題がともないます。
本記事では、掛け払いの基本的な仕組みや後払いとの違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。掛け払いの仕組みを理解し、自社に合った運用方法を検討したい方は参考にしてください。
なお、NTTファイナンスが提供する「回収代行サービス」は、掛け払いの関連業務である請求・回収業務を一括して代行するサービスです。30種類以上の決済手段に対応しており、取引先の利便性や満足度向上にもつながります。
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目次[非表示]
「掛け払い」とは

まずは、掛け払いの意味や流れ、後払いとの違いを整理しながら、その特徴を理解していきましょう。
掛け払いの定義
掛け払い(読み方:かけばらい)とは、企業間(BtoB)の取引で主に利用される決済方法の一つです。
商品やサービスの提供後に、あらかじめ決められた期日までに代金をまとめて支払ってもらう方法のことをいいます。
掛け払いは、請求書を送付する取引形態であることから「請求書払い」と呼ばれることもあります。
掛け払いの仕組みと流れ
掛け払いは、「この会社なら、後からきっと支払ってくれるだろう」という売り手と買い手の間の信頼関係で成り立っている取引です。
一般的に、次の4つのステップで進みます。
【掛け払いの流れ】
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このように、商品やサービスの提供と代金の支払いに時間差があるのが、掛け払いの大きな特徴です。
掛け払いと後払いの違い
「掛け払い」と似た言葉に「後払い」がありますが、使われる場面が少し違います。
最も大きな違いは、掛け払いが主に企業間(BtoB)の取引で使われるのに対し、後払いは主に企業と個人(BtoC)の取引で使われるという点です。
下記の表に、それぞれの特徴をまとめました。
項目 | 掛け払い | 後払い |
主な取引相手 | 企業(法人) | 個人 |
支払いのサイクル | 月末締め・翌月末払いなどの月ごと | 請求書発行後、14日以内など、都度 |
利用上限額 | 数十万〜数百万円以上 | 数万円程度 |
信用調査 | 契約前に企業の与信審査が必要 | 注文ごとに個人の与信審査が必要 |
このように、掛け払いは継続的な取引を前提とした企業向けの大きな枠組みであるのに対し、後払いは一回ごとの買い物を想定した個人向けの便利な支払方法といえます。
掛け払いを利用する4つのメリット

掛け払いは売り手と買い手の両方にメリットがある支払方法です。それぞれのメリットを解説します。
メリット1.【売り手】取引先の幅が広がり、売上拡大につながる
BtoB取引では掛け払いが商習慣として根付いており、多くの企業が取引条件として求めます。そのため、自社が掛け払いに対応していないと、それだけで成約のチャンスを逃しかねません。
一方で掛け払いに対応すれば、新規取引の入り口が広がり、見込顧客の受注につながりやすくなります。
さらに、顧客は前払いの負担がなくなるため、注文数や取引規模が大きくなりやすく、結果的に売上拡大を後押しします。
メリット2.【売り手】請求・入金管理の効率化につながる
掛け払いの導入によって、月末や翌月末など決まったタイミングでまとめて請求できます。
その結果、請求書作成や入金確認の回数が減り、経理担当者の業務負担を軽減することが可能です。
特に取引件数が多い企業ほど、掛け払いによる事務効率化の効果が高まります。
メリット3.【買い手】資金繰りに余裕が生まれる
買い手企業にとっては、商品やサービスを受け取った直後に支払う必要がなく、決められた支払サイトに合わせて支払えるため、手元資金を効率的に活用できます。
運転資金や設備投資など、必要な支出に対して柔軟に資金を回せる点が大きなメリットです。
特に高額な取引や仕入れが多い企業にとっては、キャッシュフローを安定させながら事業を継続できる仕組みといえます。
メリット4.【買い手】支払業務や予算管理が効率化できる
掛け払いを利用すれば、取引ごとに支払いを行う必要がなく、月末や締日ごとに一括処理できます。
振込回数が減ることで事務工数や手数料を削減でき、支払い漏れの防止にも効果的です。
また、請求書で支出の全体を把握できるため、予算の見通しを立てやすく、経理の管理負担も軽減されます。
掛け払いを利用するデメリット

掛け払いは売り手と買い手の双方にとってメリットがある支払方法ですが、売り手にとっては次のようなデメリットもあります。
デメリット1.代金が未回収になるおそれがある
掛け払いは、商品やサービスを提供してから代金を受け取る仕組みのため、支払遅延や貸し倒れが発生するおそれがあります。
取引開始時に与信審査を実施していても、買い手企業の経営状況が急変することは珍しくありません。
帝国データバンクの調査によると、2025年上半期の倒産件数は5,003件でした。12年ぶりの5,000件超えを記録し、3年連続で前年を上回る結果となっています。
掛け払いによって、最悪の場合、売掛金が回収できず、キャッシュフローが悪化するリスクがあることは押さえておきましょう。
デメリット2.与信管理の負担が発生する
未回収リスクを軽減するには、取引開始前に相手先の財務状況や支払い能力を見極める「与信審査」が欠かせません。
さらに、取引開始後も定期的にモニタリングを実施する必要があります。
こうした与信管理には専門知識と時間、コストがかかるため、売り手にとっては大きな負担となります。
掛け払い代行サービスを導入する4つのメリット

掛け払いは便利な決済方法ですが、請求管理や未回収のリスクなど、運用には手間がかかるのも事実です。そうした手間やリスクを解消する手段として注目されているのが「掛け払い代行サービス」です。
ここでは、掛け払い代行サービスを導入することで得られる主な4つのメリットを紹介します。なお、各メリットの具体的な提供範囲やスピードなどは、利用するサービスによって異なります。
メリット1.請求・回収業務をまるごと任せられる
掛け払いでは、請求書の発行から入金確認、消込、未入金時の催促まで、細かく手間のかかる事務作業が必ず発生します。
取引先が増えるほど、この業務は膨大になり、経理担当の大きな負担になりがちです。
代行サービスを利用すれば、こうした掛け払いに関する業務をまるごと委託できます。
その結果、経理担当は事業計画や資金繰りの分析といった付加価値の高い業務に集中できます。
メリット2.多様な決済手段を提供できる
従来の銀行振込だけではなく、コンビニ収納や口座振替、オンライン決済など、買い手に合わせた複数の支払方法を提供できるのも代行サービスの魅力です。
支払方法の選択肢が増えることで、「振込以外は対応していない」という理由で逃していた顧客層にもアプローチできるため、新しい取引の獲得や売上拡大にもつながります。
メリット3.与信審査をスピーディーに行える
新規取引を始める際に欠かせない与信審査は、自社で行うと時間と手間がかかり、専門知識も求められます。
代行サービスは、蓄積された膨大な取引データや独自のノウハウを活かして、短時間で精度の高い与信判断を実施できるものもあります。
サービスによっては数秒で結果が出るケースもあり、スムーズに契約へつなげることが可能です。
メリット4.未回収リスクを保証してもらえる
いくら与信審査をしていても、取引先が突然倒産すれば代金を回収できず、キャッシュフローに深刻な影響を与えかねません。
多くの代行サービスでは入金保証が用意されており、万が一の未回収リスクを肩代わりしてくれます。
結果として、売り手は安心して新規取引を増やせるうえ、毎月決まったタイミングで確実な入金を得られるため、資金繰りの安定にも直結します。
さらに「回収できるだろうか」という精神的な負担から解放される効果も大きいでしょう。
掛け払い代行サービスを導入する注意点

掛け払い代行サービスには多くのメリットがある一方で、下記のような注意点もあります。
【掛け払い代行サービスを導入する注意点】
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サービス利用には決済手数料や基本料金が発生します。そのため、自社で対応した場合の人件費や貸し倒れによる損失リスクと比較して「サービス導入の必要性」を判断することが重要です。
また、サービス利用開始前には代行会社の審査があります。スムーズに導入できるサービスもありますが、基本的に即日利用は難しいと理解しておきましょう。
掛け払い代行サービスを選ぶ際のポイント

掛け払い代行サービスを選定する際は、次の4つのポイントを意識しましょう。
ポイント1.自社に適した料金体系か
サービスを選ぶうえで、まず比較すべきなのが料金体系です。
料金は主に次の3つに分かれており、サービスによって大きく異なります。
【サービスの導入・運用にかかるコスト】
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自社の平均的な取引件数や金額をもとに、どのサービスが総合的に見てお得になるかをシミュレーションしてみるのがおすすめです。
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サービス選定時に役立つ情報がまとまっていますので、参考にしてください。
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ポイント2.取引先にとって使いやすいサービスか
サービスを選ぶ際は、取引先にとって使いやすいかという視点も大切です。
具体的には、従来の銀行振込だけでなく、コンビニ払いや口座振替など、相手が支払いやすい方法がいくつ用意されているかを確認しましょう。
支払方法の選択肢が多いほど、取引先は自社にとって使いやすい方法を選べるようになり、満足度の向上にもつながります。
ポイント3.サービス運営元の信頼性と実績はあるか
掛け払い代行サービスは、自社の大切な請求業務を外部に委託する仕組みです。そのため、サービスを提供する会社がどれだけ信頼できるかは、絶対に外せないチェックポイントです。
まず確認したいのが、導入実績です。多くの企業に利用されているサービスは、それだけ信頼性が高いといえます。自社と同じ業界や似たような規模の会社の導入事例が見つかれば、導入後の具体的なイメージが湧きやすく参考になります。
また、取引先の視点に立つと、知名度の低い会社から突然請求書が届くと不安に思うかもしれません。取引先も安心して利用できる、実績豊富なサービスを選ぶことが大切です。
ポイント4.自社の課題を解決できるサービスか
代行してもらえる業務は、サービスによって異なります。
【サービスに含まれる業務例】
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せっかく導入しても、自社の課題解決につながらないのであれば本末転倒になってしまいます。
こうしたサービス範囲を細かく確認し、自社が抱える課題をきちんと解決してくれるサービスを選びましょう。
掛け払いサービスをご検討中なら「回収代行サービス」がおすすめ!

NTTファイナンスの「回収代行サービス」は、掛け払いの関連業務である請求・回収業務を一括して代行するサービスです。
請求情報を作成すれば、請求自体は「回収代行サービス」が進めるため、経理担当の負担軽減につながります。
特長は、口座振替を含む30種類以上の決済手段に対応していることです。
※電話料金合算とは、NTTグループ各社の通信料金などと一緒に請求するお支払い方法です。 |
取引先は自社にとって最も利用しやすい支払方法を選べるため、利便性と満足度の向上に直結し、結果的に売上拡大にも貢献します。
さらに、NTTファイナンスという信頼性の高い企業が運営している点も安心材料です。自治体や教育機関をはじめとする豊富な導入実績があり、大切な請求・回収業務を安心して任せられます。
「掛け払いの負担を減らしたい」「回収率を安定させたい」と考えている企業には最適な選択肢です。下記より詳細なサービス資料をダウンロードできますので、お気軽にご覧ください。
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掛け払い代行サービスを利用して業務負担を減らそう

掛け払いは、企業間取引をスムーズに進めるうえで欠かせない決済方法です。
しかし、未回収リスクや請求・回収業務の負担といった課題を放置してしまうと、経理担当の負担増やキャッシュフローの悪化につながるおそれがあります。
そうした課題を解決するのが「掛け払い代行サービス」です。業務の効率化とリスク回避を同時に実現でき、安心して取引を拡大できる環境を整えられます。
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実際に導入した企業の課題や導入後の効果をまとめた導入事例集をご用意しています。導入を検討する前に、他社の成功事例をチェックしてみてください。



