請求書の支払処理は効率化できる!課題や解決方法を事例を交えて解説
請求書の支払処理は、企業の信用に関わる重要な業務のひとつです。
ミスが許されないうえに、フローも煩雑なことが多く、支払処理の業務に毎月追われている経理担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、一般的な請求書の支払処理フローが抱える課題を整理しつつ、業務フロー見直しのポイントを解説します。
効率化を実現した事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次[非表示]
請求書の支払処理の基本的な流れ
まずは、一般的な請求書の支払処理フローを整理しましょう。請求書処理業務の全体像は下記のとおりです。
【購買部門】請求書の受領・内容の確認
まずは、購買部門で取引先から請求書を受領します。請求書の形態はメール・PDF・郵送など、取引先によってさまざまです。郵送の場合は開封作業も必要になります。
請求書を受け取ったら、速やかに内容を確認しましょう。主な確認項目は下記のとおりです。
項目 |
確認するポイント |
宛名 |
宛先が正しいかどうか |
発行者 |
正しい取引先の名前が記載されているか |
取引年月日 |
取引日が認識とズレていないか |
金額と取引内容 |
請求金額と取引内容が一致しているか 適用税率・消費税は正しいか |
支払い期限 |
無理のない支払い期限か 日付の記載ミスがないか |
振込口座や振込手数料 |
振込口座に変更がないか 振込手数料はどちらが負担するのか |
添付資料 |
添付資料の有無 請求内容に対して適切な添付資料か |
【購買部門】支払依頼書の作成・承認
支払依頼書とは、購入した商品やサービスの代金の支払いを、経理部門に依頼する書類のことです。
請求書を受け取ったら支払依頼書を起票し、上司に提出します。「納品書」や「購入発注書」といった支払いの根拠となる資料を添えると、上司は支払いの正当性を判断しやすいでしょう。
承認を受けたら、経理部門に提出します。
※企業によって支払依頼書のフォーマットや運用方法が異なるため、自社のルールを確認しておきましょう。
【経理部門】取引内容の記帳
支払依頼書を受け取ったら、経理部門の担当者も支払内容を再度確認します。
必要に応じて、「先に登録した買掛金のデータと整合性が取れているか」といった観点でもチェックすることが大切です。
請求内容の確認が終わったら、会計システムなどを使用して取引の内容を帳簿に記載します。手作業で入力する場合には、ミスが起こらないよう複数名でチェックする体制も必要です。
【経理部門】振込作業(FBデータ作成)の実施
帳簿への記載が完了したら、経理や財務部門の上司の承認を受けて支払いを実行するフェーズです。
近年では、オンライン上で支払いが完結するインターネットバンキングやファームバンキング(FB)を利用するケースも増えています。
【ファームバンキングとは】 企業が銀行のオンラインシステムを使用して、直接パソコンから口座残高の確認や振込などの取引を行うサービス。銀行窓口に行かずとも、会社のオフィスから迅速かつ便利に資金管理や決済ができる |
ファームバンキングを利用する場合は、期日に間に合うようにFBデータの作成やシステムへのアップロードを行いましょう。
【経理部門】支払い完了分の消込処理
支払いが完了したら、会計システムなどで振込結果を仕訳します。すでに登録済みの買掛金や未払金の残高が消し込みされているか、確認しましょう。
【経理部門】請求書の保管
すべての処理が完了したら、請求書の原本を保管します。紙やデータなど請求書の形態ごとに分けて保管する必要があるため、ファイリング作業や保管スペースの確保が必須です。
法律上、法人の場合の保管期間は「事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間」と定められています。法令で定められた条件のもとで、適正に保管しましょう。
【関連記事】
請求書の保管期間について、下記の記事で詳しく解説しています |
支払処理の課題と効率化のポイント
続いて、一般的な請求書の支払処理フローが抱えている課題に触れ、解決策を探ります。あなたの周辺でも発生している問題はありませんか?
支払処理業務の課題4選
一般的な支払処理が抱える課題として、主に下記の4つが挙げられます。
特に近年では、紙と電子データが混在し、手続きのフローや保管方法が煩雑化する傾向があります。紙の請求書原本を確認する作業が、リモートワーク推進の阻害要因になっているケースもあるでしょう。
それぞれの課題について、詳しく解説します。
課題1.請求書のとりまとめに手間がかかる
1つ目の課題として、請求書の処理方法が煩雑化し、手間がかかることが挙げられます。
請求書の形式は、紙・メール・PDFデータなどさまざまです。
各種請求書がバラバラに届くうえ、取引先ごとに支払い日・支払い先・支払い方法も異なるため、処理方法が煩雑化しがちです。対応に時間が取られ、生産性の低下につながるおそれがあります。
特に紙の請求書は、担当者への振り分けや開封などの作業が必要なうえに紛失リスクもあるため、慎重な対応が求められます。
課題2.ヒューマンエラーが発生しやすい
2つ目の課題は、手作業によるヒューマンエラー発生のリスクです。
帳簿への記載やFBデータの記載など「人の手による入力作業」があると、漏れやミスが発生するおそれがあります。
人為的ミスがあるとトラブルや信用問題につながるため、入力作業をする担当者の精神的負担が大きい点も課題です。
また、手作業による作業は手続きの属人化が発生しやすく、不正の温床にもなります。手間はかかるものの、複数人でチェックする体制を整える必要があるでしょう。
課題3.承認フローに時間がかかる
3つ目の課題は、支払処理のプロセスが多く、時間がかかることです。
請求書の支払いまでに購買部門・経理部門それぞれで承認が必要なため、支払期日もあるなかで手続きにはどうしても時間がかかります。
さらに、紙の請求書の場合は、現物のやりとりでタイムロスも発生しがちです。支払遅延によるトラブル・信用問題が発生しないよう、期日管理が必須といえます。
また、紙の請求書の申請には承認印を押す必要がある会社も多いでしょう。押印作業はリモートワーク推進の妨げにもなるので、ペーパーレス化を進めたいところです。
課題4.請求書保管が煩雑化しやすい
請求書保管が煩雑化しやすい点も、支払処理業務の課題として挙げられます。法律上、紙・電子データは分けて保管する必要があるため、保管方法が複雑になりがちです。
特に、紙の請求書のファイリングはスペースをとるため保管コストがかかるうえに、あとで問い合わせがあっても特定の請求書を見つけにくいところが課題です。
また、紙の請求書の紛失リスクや、電子帳簿保存法など法改正への対応の手間も懸念されます。
解決策1.業務プロセスの自動化
続いて、一般的な支払処理フローが抱える課題を踏まえた、解決策をご提案します。
まずは現在の業務フローを洗い出して、人の手でやっている作業を自動化できないか検討してみましょう。例えば、下記のような自動化を検討してみてください。
|
自動計算やデータの共有が叶えば、入力時の人為的ミスや手続きの属人化のリスクを抑えることができます。
解決策2.ペーパーレス化推進
業務フローを洗い出す際に、紙でやりとりしている業務もチェックしましょう。その際に、下記の方法でペーパーレス化ができないか検討してみてください。
|
紙の請求書の件数を減らすことができれば、開封作業や現物のやりとりの手間を削減でき生産性の向上につながります。
また、保管スペースが減ることによるコスト削減や、手続き中や保管中の紛失リスクの削減も大きなメリットです。
世の中の流れを考慮すると、環境保護の観点からもペーパーレス化に取り組む意義があるといえます。
当サイトでは、請求書をペーパーレス化するメリットや進め方をまとめた資料を無料配布していますので、ご興味のある方は下記からダウンロードしてください。
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解決策3.請求書管理サービスの活用
「請求書まわりの管理業務を効率化できるサービス」を導入するのも一策です。
請求書管理サービスを導入することで、作業の自動化やペーパーレス化が実現でき人為的ミスの削減・属人化の解消につながります。もちろん、リモートワークの推進にも効果的です。
また、クラウドサービスの場合は法改正にも自動で対応できるので、法改正にともなう突発的な業務の増加も回避しやすくなります。
支払処理の効率化におすすめの請求書管理サービス2選
請求書管理サービスは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは代表的なサービスを2つ紹介します。
請求書管理サービスを検討する際には、どのような作業を代行・効率化してもらいたいのかを明確にすることが大切です。
自社のフローを洗い出したうえで、サービスを比較検討してみてください。
おすすめ1.電子帳簿保存システム
電子帳簿保存システムとは、電子帳簿保存法の要件に対応したツールです。国税関係の帳簿や書類を電子的に保存できるようになり、ペーパーレス化推進につながります。
電子帳簿保存システムでおすすめなのは、NTTファイナンスの「楽々クラウド電子帳簿保存サービス」です。
電子データの書類はもちろん、紙で受領した書類もスキャナ保存ができます。検索機能や帳簿との紐付け機能も利用できるので、請求書保管業務の効率化に役立ちます。
請求書以外の幅広い帳票類にも対応できるうえ、電子データのみや紙で受領された請求書のみでのスモールスタートも可能です。
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おすすめ2.一括請求サービス
一括請求サービスとは、バラバラに届く請求書をまとめて月1回一括で支払えるサービスを指します。膨大な量の請求書も1枚にまとめられるため、毎月処理する請求書の数が多い企業におすすめです。
一括請求サービスでおすすめなのは、NTTファイナンスの「法人"ビリングONE"」です。支払期日が異なる通信費や公共料金などの請求書をNTTファイナンスが一度立て替え、ひと月分をお客さまへ一括で請求します。
会計システムと連携させると、請求データを「法人"ビリングONE"」に取り込むだけで仕訳処理も自動化できます。
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請求書支払処理フローの効率化を実現した事例
最後に、「法人"ビリングONE"」を導入して、支払処理フローを効率化した「東武ビルマネジメント株式会社」様の事例を紹介します。
ビルの設備管理・清掃・警備をトータルで担う「東武ビルマネジメント株式会社」様では、ビル常駐者の業務用や防犯カメラ用など非常に多くの通信回線が必要です。
1ヵ月に約800回線分の請求があり、月に5回ほど金融機関で振り込む手間や支払後の後処理の煩雑さが課題になっていました。
そこで、一括請求サービスを比較検討し、NTTファイナンスの「法人"ビリングONE"」の導入を決断します。
導入前 |
導入後 |
月に5回ほど金融機関に出向いて振り込み |
月に1回の口座振替自動引き落としで 銀行に行く回数がゼロに |
約100通の封筒の開封・照合作業 |
紙の請求書のデータ化が実現。 |
遊休回線を見過ごし、 |
請求データの明細を活用して |
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請求書の支払処理を効率化しよう
支払処理業務は、煩雑な処理やタイトなスケジュールに追われがちです。もし日々の業務で担当者の負担や人為的ミスのリスクを感じているのであれば、下記の観点で業務フローを見直してみましょう。
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スモールステップで効率化を図るのもよいですが、大幅な業務削減に取り組むなら請求書管理サービスの活用がおすすめです。
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