請求書の支払期限に法的ルールはない?決め方や注意点など徹底解説!

請求書の支払期限とは、請求書に記載する代金の支払期日のことです。請求書の発行にあたり、支払期限の設定で迷うケースも少なくありません。本記事では、支払期限の概要や書き方・決め方のパターン・注意点などを紹介します。支払期限を過ぎてしまった際の対処法も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次[非表示]

  1. 請求書の支払期限とは「代金を入金する最終日」
    1. 請求書の支払期限を設定する4つの理由
    2. 支払期限・支払期日・締め日の違い
  2. 請求書の支払期限の書き方
  3. 請求書の支払期限の決め方は主に2パターン
    1. パターン1.月末締め翌月末払い(30日サイト)
    2. パターン2.月末締め翌々月末払い(60日サイト)
  4. 請求書の支払期限を決める際の4つの注意点
    1. 注意点1.下請法(取適法)の「60日ルール」を超えると無効になる
    2. 注意点2.フリーランス保護法でも60日以内の設定が必要
    3. 注意点3.土日祝にあたる場合の対応を明記する
    4. 注意点4.取引先の事業規模に配慮して短めに設定する
  5. 【発行側】請求書の支払期限を過ぎても入金がないときの4ステップ
  6. 【受領側】請求書の支払期限を過ぎてしまいそうなときの対処法
  7. 請求書の支払期限管理を効率化するなら「法人"ビリングONE"」もおすすめ
  8. 請求書の支払期限に関してよくある4つの疑問と回答
    1. 疑問1.支払期限に関する法律はあるの?
    2. 疑問2.支払期限を過ぎると罰金などはある?
    3. 疑問3.支払期限が短すぎるときの対処法は?
    4. 疑問4.請求書に支払期限の記載がない場合の対応方法は?
  9. 請求書の支払期限を把握して資金管理を滞らせないようにしよう

請求書の支払期限とは「代金を入金する最終日」

請求書の支払期限とは、商品やサービスの対価を支払うべき最終的な期日のことです。「この日までに振り込めば問題ない」という締め切りの役割を担っており、売り手と買い手の双方が共通認識を持つための基準になります。

請求書には支払期限を明記することが一般的であり、記載がない場合は「いつまでに払えば良いか」がわからず、トラブルに発展しかねません。取引先との信頼関係を守るうえでも、期限の明確な設定は請求業務の出発点といえます。

請求書の支払期限を設定する4つの理由

請求書への支払期限の記載は法律上の義務ではありませんが、トラブル防止や資金管理の観点から、実務上は明記するのが一般的です。支払期限を設定すべき主な4つの理由をまとめました。

1.資金管理の安定確保

【発行側】入金時期を予測でき、資金管理の計画が立てやすい

【受領側】支払スケジュールを計画的に管理しやすい

2.未払い・遅延トラブルの防止

【発行・受領】「いつまでに払うか」の共通認識が生まれる

3.遅延損害金の請求根拠の確保

【発行側】期限を定めないと遅延損害金を請求しづらくなる場合がある

親事業者と下請事業者間の取引には下請代金支払遅延等防止法第4条が適用

参考:下請代金支払遅延等防止法第4条

4.法的リスクの軽減

【発行・受領】期限の定めがない債務は訴訟等の場面で法律的な判断が複雑化しかねない

参考:民法第166条1項(債権の消滅時効)

支払期限・支払期日・締め日の違い

支払期限と混同されやすい言葉がいくつかあります。ここでは特に関連性の高い「支払期日」と「締め日」の2つについて、それぞれの役割の違いをまとめました。

支払期限

支払期日

締め日

意味

支払いを完了すべき最終リミット

「支払う」と決められた特定の日

一定期間内の取引をまとめて、請求額を確定させる区切り

役割

「いつまでに」という締め切りを示す

「この日に払う」という具体的な実行日を示す

請求の起点。支払期限はこの締め日を基準に決まる

具体例

毎月末日を支払期限とする

→ 末日までに振り込めば良い

毎月末日が支払期日

→ 末日に支払いを実行

月末締め翌月末払い

→ 月末が締め日、翌月末が支払期限

用語を混同したまま契約を結ぶと後から解釈の食い違いが生じることがあるので、使い分けを意識して記載しましょう

締め日と支払期限はセットで機能します。締め日が「請求の起点」、支払期限が「入金の終点」という関係にあり、どちらかが欠けると支払サイクルは成立しません。

取引を始める際は、締め日と支払期限の両方を明確に合意しておくことが、後のトラブル防止につながります。

請求書の支払期限の書き方

ここでは、請求書の支払期限の書き方を紹介します。

支払期限は「〇〇年〇月〇日」という形式で記載します。「発行から30日以内」「速やかに」などの曖昧な表現は、解釈のズレが生じやすいため避けるのが一般的です。

【NG例】

  • 本請求書発行日より30日以内にお支払いください
  • 速やかにお振り込みください

支払期限を明記した請求書の例は、下記のとおりです。

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請求書の支払期限の決め方は主に2パターン

支払期限の設定には、業界で広く使われている2つの基本パターンがあります。

それぞれの仕組みとメリット・デメリットを理解したうえで、自社の状況に合ったサイクルを選びましょう。

パターン1.月末締め翌月末払い(30日サイト)

月末締め翌月末払いは、日本の企業間取引で最も標準的な支払サイクルです。「30日サイト」とも呼ばれ、月内に発生した取引を月末にまとめて締め、翌月末までに支払います。

例えば6月中の取引分は6月30日に締め、7月31日が支払期限となります。月初に納品した場合は締め日まで約1ヵ月待つため、実際の回収までは最大60日程度になることもあります。

月単位で請求を一括管理できるので、経理業務の効率が上がりやすいのが特徴です。売り手にとっては資金回収が比較的早く、キャッシュフローを安定させやすいメリットがあります。

取引先との関係をフェアに保ちやすいことから、新規取引の際にもこのサイクルが基準として提示されることが多いです。

パターン2.月末締め翌々月末払い(60日サイト)

月末締め翌々月末払いは「60日サイト」と呼ばれ、翌々月の月末が支払期限です。

例えば6月中の取引分は6月30日に締め、8月31日が支払期限となります。月初に納品した場合は、最大90日程度になることもあります。

ただし、売り手側からみると入金まで時間がかかるので、キャッシュフローが圧迫されるリスクがあります。特に中小企業やフリーランスに対してこのサイクルを設定する場合は注意が必要です。

下請法(取適法)やフリーランス保護法では、原則として受領日から60日以内の支払いが義務付けられており、60日サイトはその上限寸前の設定に相当します。

取引先の規模や資金管理への影響を考慮しながら、慎重に選択しましょう。

請求書の支払期限を決める際の4つの注意点

支払期限は自由に設定できますが、法律や商慣習上のルールを無視すると、取引先とのトラブルや法的リスクを招くことがあります。下記の4つの注意点を押さえたうえで期限を設定しましょう。

注意点1.下請法(取適法)の「60日ルール」を超えると無効になる

下請法(取適法)では、親事業者が下請事業者に発注した際、商品やサービスを受領した日から60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を定めなければならないと規定されています。これが「60日ルール」です。

参考:2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります

※ここがポイント!起算日の考え方

  • NG:60日のカウントが始まるのは「請求書が届いた日」や「検収日」ではありません。
  • 正解:「物品を実際に受領した日」からカウント開始です。
  • :4月1日に納品された場合、5月30日が期限の満了日(4月1日が1日目となる)


また、当事者間で60日を超える支払期日に合意していた場合はその合意自体が無効となり、法律によって「受領から60日を経過する日の前日」が強制的に支払期日として設定されます。

支払期日を定めなかった場合は、受領当日が支払期日として扱われるケースがあるため、実務上の取り決めは必ず書面で行いましょう。

注意点2.フリーランス保護法でも60日以内の設定が必要

2024年11月に施行されたフリーランス保護法でも、下請法(取適法)と同様に受領日から60日以内の支払いが義務付けられています。

参考:2024年公正取引委員会フリーランス法特設サイト|公正取引委員会

フリーランスは組織の後ろ盾を持たない個人であるため、わずかな支払遅延が死活問題に直結しやすく、発注側には厳格な期日管理が求められています。

再委託取引の場合はさらに厳しく、元委託者から報酬の支払いを受けた日から起算して30日以内という期限が設けられることもあります。フリーランスへの外注が増えている近年、発注側の担当者は、取引形態に応じて適用される法律を正しく把握しておきましょう。

注意点3.土日祝にあたる場合の対応を明記する

支払期限の末日が土曜・日曜・祝日に重なった場合、金融機関への振込ができないケースがあります。民法第142条では、期間の末日が休日にあたる場合、その日に取引をしない慣習があるときは翌日が期限の満了日になると定めています

ただし、下請法(取適法)やフリーランス保護法が適用される取引では、翌営業日に延ばすことで受領から60日を超えてしまう場合、原則として前営業日までの支払いが推奨されます。

こうしたトラブルを防ぐために、契約書や請求書には下記のような文言を明記しておくと安心です。

【支払期限が休業日にあたる場合の記載例】
  • 「支払期限が金融機関の休業日にあたる場合は翌営業日を期限とします」
  • 「前営業日までにお振り込みください」など

事前に、どちらの対応をとるかを取引先と合意しておくことが認識のズレを防ぐポイントになります。

注意点4.取引先の事業規模に配慮して短めに設定する

法律上の上限である60日サイトを設定できる場合でも、取引先の事業規模や資金管理への影響を考慮することが大切です。

【事業の規模や形態によって配慮が必要な理由】

中小企業やフリーランスにとって、入金が2ヵ月先になることは資金管理に影響を与えかねません。売上があっても手元にお金が入らない状態が続けば、事業継続そのものが危うくなるケースもあるためです。


取引先が小規模事業者であれば支払期間を1ヵ月以内に設定するなど、早めの入金を意識すると、下記のようなメリットが期待できます。

  • 取引先の資金管理の負担を軽減できる
  • 支払遅延のリスクを抑えやすくなる
  • 結果として、安定した取引を継続しやすくなる

一方的に有利な条件を押し付けることは法的リスクだけでなく、取引関係そのものを損なうおそれもあることに留意しておきましょう。

【発行側】請求書の支払期限を過ぎても入金がないときの4ステップ

支払期限を過ぎても入金がない場合、感情的にならず段階を踏んで対処することが重要です。自社確認から法的手続きまで、下記のように順序立てて進めましょう。

1.自社側のミスがないか確認

  • 請求書を正しい宛先に送付できているか
  • 記載した振込先の口座番号や金融機関名に誤りがないか
  • 請求金額に間違いがないか

2.取引先に未入金の旨を連絡

相手が単純に支払いを忘れているケースも多いため、責めるような表現は避け、確認を促す丁寧なトーンで行う

関連記事:【5ステップ】請求書の未払いへの催促方法を例文付きで紹介

3.内容証明郵便で通知

  • 内容証明郵便とは、いつ・誰が・どのような内容の書面を送ったかを郵便局が証明するもので、法的な証拠能力を持つ
  • 文書には、請求内容・支払期限(通知から〇日以内など)・未払い金額・振込先を明記

4.裁判所へ支払督促の申し立て

  • 簡易裁判所を通じて相手方に支払いを命じる書類を送付する手続き
  • 通常の訴訟と比べて費用が安く、手続きも比較的シンプル
  • 相手方が督促を受け取ってから2週間以内に異議を申し立てなければ、仮執行宣言が付与され、預金口座や財産の差し押さえが可能


未回収債権の回収手順や発生リスクを抑える方法などを、下記の記事で解説していますので、チェックしてみてください。


ここまで紹介した対応は、未入金が発生してからの対応です。しかし、そもそも未回収を発生させない仕組みをつくることが、最も効率的な解決策といえます。

NTTファイナンスの「回収代行サービス」は、請求情報をご準備いただくだけで、NTTファイナンスが代わりにエンドユーザーへ請求するサービスです。

30種類以上の主要な決済手段に対応しており、エンドユーザーに適した支払方法を提示できることから、支払遅延や未払いの発生抑止につながる場合があります。

また、Web上の管理画面からエンドユーザーごとに入金があったかを判別し、消込まで自動反映されるため、人手による「請求金額の打ち間違い」や「送付先の取り違え」といった、ミスの軽減も可能です。

多様な決済手段による支払遅延・未払いの抑止や、入金消込の自動反映によるミス軽減などが組み合わさることで、支払トラブルや未入金リスクの低減が見込まれます。

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【受領側】請求書の支払期限を過ぎてしまいそうなときの対処法

ここからは、請求書を受け取る側の立場に立ち、支払期限に遅れそうな場合の対処法を解説します。

支払期限を過ぎてしまいそうな場合は、速やかに取引先へ連絡することが重要です。期限を黙って過ぎるのは信頼関係を大きく損なうため、気付いた時点ですぐに連絡しましょう。連絡・対応の際の主なポイントは下記のとおりです。


【支払遅延を伝える際の主なポイント】
  • 「○月○日までに必ずお支払いします」と具体的な支払予定日を伝える
  • 一括払いが難しい場合は、分割払いの相談をする
  • 社内の上長や経理部門に速やかに報告し、立替払いや短期借入など緊急の資金手当てができないか確認する


支払後は、遅延に対するお礼とお詫びをあらためて伝え、今後の信頼回復に努めましょう。

そもそも支払期限の管理が煩雑なために遅延リスクが生じているなら、仕組みから見直すことも有効です。次の章では、請求書の期限管理を効率化できるサービスを紹介します。

請求書の支払期限管理を効率化するなら「法人"ビリングONE"」もおすすめ

支払期限の管理が煩雑で遅延リスクを感じているという課題をお持ちの企業には、NTTファイナンスの「法人"ビリングONE"」がおすすめです。

「法人"ビリングONE"」は、支払期限が異なる通信費や公共料金などの請求書をNTTファイナンスが一度立て替え、お客さまへ一括請求するサービスです。

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加えて、支払期限の見落としや管理ミスによるリスク軽減が期待できます。

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請求書の支払期限に関してよくある4つの疑問と回答

最後に、請求書の支払期限に関してよくある質問にお答えします。気になっている疑問点はここで解消しておきましょう。

疑問1.支払期限に関する法律はあるの?

一般的な企業間取引(BtoB)では、支払期限を何日以内にしなければならないという法律はなく、当事者間の合意で自由に設定できます。ただし、親事業者と下請事業者の間には下請法(取適法)が適用され、受領日から60日以内の設定が義務付けられています。

フリーランスへの発注においても、フリーランス保護法により同様の60日ルールが課されます。請求書に関するルールについては、下記の記事もご覧ください。

疑問2.支払期限を過ぎると罰金などはある?

法律上の「罰金」はありませんが、支払期限を過ぎると遅延損害金が発生します。民法上の法定利率は年3%ですが、下請法が適用される取引では年14.6%が強制的に適用されます。

さらに公正取引委員会から勧告を受け、企業名が公表されるリスクもあるので、期限管理は軽視できません。

疑問3.支払期限が短すぎるときの対処法は?

取引先から提示された期限が自社の資金計画に合わない場合は、まず取引先に延長を相談しましょう。自社のキャッシュフローの状況や業界の一般的な支払サイクルを根拠として示すと、交渉が進めやすくなります。

折り合いがつかない場合は、分割払いや支払スケジュールの調整を提案するなど、柔軟な解決策を探りましょう。

疑問4.請求書に支払期限の記載がない場合の対応方法は?

請求書への支払期限の記載は法律上の義務ではありませんが、記載がない場合はまず契約書や発注書を確認し、事前に合意した支払条件がないか確認しましょう。契約書等にも記載がない場合は、認識違いによるトラブルを防ぐため、支払前に取引先へ確認するのが基本です。

契約時に「月末締め翌月末払い」などの条件を定めているケースもあります。

発行側は、支払期限の記載漏れに気付いた時点で、速やかに取引先へ連絡し、正しい支払期限を記載した請求書を再発行しましょう。 支払期限が曖昧なままだと、入金遅延や認識違いによるトラブルにつながるおそれがあります。

請求書の支払期限を把握して資金管理を滞らせないようにしよう

【本記事のまとめ】

  • 請求書の支払期限は主に30日サイト、60日サイトの2パターン
  • 下請法・フリーランス保護法では、支払期限に関するルール(60日以内など)があるため注意が必要
  • 請求書の支払期限管理を効率化するならツールに頼るのもおすすめ

請求書の支払期限は、しっかりと明記しておかないとトラブルに発展しかねません。双方で合意のうえ「いつまでに払えば良いか」をはっきりとさせておきましょう

支払期限の管理を含む請求業務は毎月必ず発生するため、効率化を考えるうえで真っ先に対象になる業務です。なかでも通信費の請求業務は、複数の通信会社からバラバラに届く請求書の支払期限や支払処理の管理など、担当者の負担が大きくなりがちです。

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