請求書はPDFで送っても良い!メリットや運用手順・注意点を解説

請求書をPDF化して取引先に送付しても法律的に問題はありません。本記事では、請求書をPDF化するメリットや知っておくべき法律、作成・送付する手順、注意点などを紹介します。この記事を最後まで読んでいただくことで「注意点をしっかりと把握したうえで、請求書のPDF化を実現する」ことが可能です。
なおNTTファイナンスでは、「請求書の電子化を進めるメリットや注意点」をまとめた資料を無料で配布しています。資料として手元に置いておきたい方は、下記のボタンをクリックのうえ、お気軽に資料をダウンロードしてみてください。
\電子化した請求書を発行する際の注意点も解説!/
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【結論】請求書をPDFで送付するのは法的に認められている

請求書をPDFで発行・送付することに法的な問題はありません。請求書は特定の媒体での発行が義務付けられておらず、電子データも紙と同等の効力を持ちます。
「本当に大丈夫?」と不安に感じる方も多いですが、正しく運用すればコスト削減や業務効率化につながる有効な手段です。
紙の原本を別途郵送する必要はない
請求書は法律上紙での発行が義務付けられていないため、PDFで送った後に原本を郵送する必要はありません。取引の事実を証明する書類として、電子データも紙と同等の効力を持つと認められています。
ゆえに、メールでPDFを送信すれば、それだけで正式な請求書として扱われます。「PDFを送った後、念のため紙も送るべき?」と迷う方もいるかもしれませんが、法的にはPDFのみで完結して問題ありません。
ただし、取引先によっては紙での受領を希望するケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。
印鑑は必須ではないが電子印鑑の活用も可能
請求書への押印も法律上の必須要件ではありません。印鑑がなくても請求書としての効力は変わらないため、PDFで発行する際に印影の挿入は不要です。
とはいえ、商慣習として「印鑑があったほうが安心」と希望される取引先も少なくありません。このような取引先への対応には、電子印鑑を活用する方法があります。
電子印鑑は、画像編集ソフトや無料のオンラインツールで作成できます。ExcelやWordに画像として挿入すれば、紙に押印したような見ためのPDF請求書を作成可能です。取引先との関係性に応じて、使い分けを検討してみてください。
請求書をPDF化する4つのメリット

請求書をPDF化することで得られるメリットは大きく4つあります。
業務効率の向上からコスト面まで、順番にみていきましょう。
メリット1.印刷・封入・投函の手間がなくなる
PDFで請求書を発行すれば、下記の手間をなくすことができます。
【PDF化でなくせる手間】
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反対に紙の請求書を送る場合は、印刷から投函までの一連の作業が毎月発生し、経理担当者にとっては毎月大きな負担になりがちです。PDFであれば、作成したファイルをメールに添付して送るだけで完了します。封入作業や郵便局への持ち込みも不要になり、請求業務にかかる時間を大幅に短縮できます。
空いた時間を他の業務に充てられるメリットから、少人数で経理を回している中小企業やフリーランスの方には特に効果的な方法です。
メリット2.発行から届くまでのタイムラグがゼロになる
PDFで請求書を発行すれば、発行から届くまでのタイムラグを圧縮できる点もメリットです。
【郵送とPDF発行の比較】
比較項目 | 郵送 | |
届くまでの時間 | 1〜3日程度 | 即時 |
配送遅延リスク | 郵便事情に左右される | なし |
誤記への対応 | 返送・再送に数日かかる | その場で即時再送が可能 |
PDFであれば送信ボタンをクリックした瞬間に相手へ届くため、タイムラグが圧縮できます。「届いた・届いていない」といった配送トラブルの未然防止にもつながります。
特にスピード感が求められるビジネスシーンにおいて、内容に誤りがあった場合もすぐに修正版を再送できるため効果的です。
メリット3.テレワーク環境でも請求業務ができる
PDFで請求書を発行すれば、テレワーク環境でも請求業務を行うことが可能です。一方で、紙の請求書を発行するには、次のような備品がすべてオフィスに揃っている必要があります。
- プリンター
- 会社の封筒
- 印鑑
そのため、請求書発行のためだけに出社するケースも少なくありませんでした。PDFであれば、パソコンとインターネット環境さえあればどこからでも請求書を作成・送付できます。自宅やコワーキングスペースなど、場所を選ばずに業務を進められる点は大きなメリットです。
働き方の柔軟性が求められる昨今、請求業務のPDF化はテレワーク推進の観点からも検討する価値があります。
メリット4.印紙税がかからずコストを削減できる
PDFで請求書を発行すると、印紙税がかかりません。紙の請求書では記載金額が5万円以上の場合に収入印紙が必要ですが、電子データは課税対象外となるためです。
印紙代に加えて用紙代や郵送費も不要になるため、年間で見ると数万〜数十万円規模のコスト削減につながる場合もあります。
なお、印紙税の削減以外にも、ペーパーレス化には多くのメリットがあります。当サイトでは、導入を成功させるためのポイントや注意点についてまとめた資料を無料で配布しています。経費削減や業務効率化をめざす企業のご担当者の方は、ぜひ下記のバナーをクリックのうえ、無料の資料をダウンロードしてご覧ください。
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請求書をPDF化するときに知っておくべき2つの法律

請求書をPDFで運用する際には、インボイス制度と電子帳簿保存法の2つの法律を押さえておく必要があります。
順番に見ていきましょう。
1.インボイス制度で必要な6つの記載項目
2023年10月から始まったインボイス制度では、仕入税額控除を受けるために「適格請求書」の発行が必要になりました。PDFの請求書でも、下記の6項目を必ず記載しなければなりません。
【PDFの請求書でも記載が必要な6項目】
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従来の請求書の項目よりも記載項目が増えているので、事前に把握しておきましょう。インボイス制度に対応した請求書の書き方について、より詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてみてください。
2.電子帳簿保存法で求められる保存ルール
PDFで請求書を送受信する行為は、電子帳簿保存法における「電子取引」に該当します。2024年1月以降、紙に印刷した物だけでは法的な保存書類として認められなくなり、受け取った電子データのまま保存する義務が生じました。
保存には「真実性の確保」と「可視性の確保」という2つの要件を満たす必要があります。
真実性の確保とは改ざん防止措置のことで、タイムスタンプの付与、訂正・削除の履歴が残るシステムの利用、または事務処理規程の整備が求められます。
可視性の確保とは、税務調査の際にディスプレイや書面ですぐに確認でき、かつデータをすぐ検索できる状態にしておくことです。専用システムがなくても、ファイル名を「20250131_110000_株式会社A.pdf」のように規則的(⽇付・⾦額・取引先の3つの要素)につけて特定のフォルダに集約すれば、パソコンの検索機能で対応可能です。
電子帳簿保存法に則した電子データの保存については、保存方法や要件をまとめた資料を無料で配布しています。下記のバナーをクリックのうえ資料をダウンロードして、お手元に置いていつでもご活用ください。
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請求書をPDFで作成・送付する3つの手順

実際に請求書をPDFで運用するには、作成・送付・保存の3ステップを押さえておくことが大切です。
手順を間違えないよう、事前に把握しておきましょう。
手順1.ExcelやWordで請求書を作りPDFに変換する
まずはExcelやWordで請求書を作成し、PDFファイルに変換します。Windowsの場合は下記のいずれかの方法が一般的です。
【Windowsでの変換方法】
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作成時に注意したいのが、印刷範囲のずれです。Excelは画面上の見ためとPDF出力時のレイアウトが異なるケースがあるので「改ページプレビュー」で確認しておきましょう。
また、特殊なフォントを使用すると相手の環境で文字化けするリスクがあります。「メイリオ」や「游ゴシック」など、標準的なフォントを選んでおくと安心です。
手順2.取引先に事前の了承を得てからメールで送る
PDF請求書を送る前に、取引先へ事前に了承を得ておくことをおすすめします。法的には問題なくても、経理処理の都合で紙を希望する企業もあるためです。
了承を得たらメールで送付します。送付時は、下記の点を押さえておきましょう。
件名 | 「【請求書送付】2025年1月分/株式会社〇〇」のように、一目で内容がわかる形式 |
本文 | 「本メールをもって原本と代えさせていただきます」と記載 (紙の郵送有無について相手が迷わないようにするため) |
なお、後述しますがパスワード付きZIPファイルでの送付は避け、クラウドストレージのリンク共有などを検討してください。
手順3.送信した請求書データを正しく保存する
送付した請求書のPDFデータは、電子帳簿保存法に則って保存する必要があります。専用システムがなくても、ファイル名と保存場所を工夫すれば対応可能です。
ファイル名は「取引年月日_金額_取引先」の形式で統一しましょう。例として「20250131_110000_株式会社A.pdf」のようにしておけば、パソコンの検索機能で取引先や日付から素早く探し出せます。
加えて、訂正・削除の防止に関する事務処理規程を作成しておくと、改ざん防止措置の要件も満たせます。
請求書をPDFで運用するときの3つの注意点

PDF請求書を運用する際の注意点は、主に下記の3点です。
運用を始める前に確認しておきましょう。
注意点1.パスワード付きZIPファイルでの送付は避ける
かつては請求書をパスワード付きZIPファイルにして送り、別メールでパスワードを通知する「PPAP」と呼ばれる方法が一般的でした。しかし現在、この方法はセキュリティリスクが高いとして廃止の流れが進んでいます。
暗号化されたZIPファイルはウイルススキャンをすり抜けてしまうことから、マルウェア感染の原因になりかねません。また、通信経路を盗聴されていれば、添付ファイルとパスワードの両方が漏洩するリスクもあります。
参考:平井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和2年11月24日|内閣府
注意点2.セキュリティ対策としてクラウド共有を検討する
PPAPに代わる安全な送付方法として、クラウドストレージのリンク共有が挙げられます。BoxやOneDrive、Google Driveなどにファイルをアップロードし、ダウンロード用のリンクをメールで通知する方法です。
この方法ならアクセス権限や有効期限を設定できて、誤送信時もリンクを無効化すれば被害を防げます。相手がいつダウンロードしたかも確認可能なので「届いていない」というトラブルの防止にも役立ちます。
どうしてもファイル添付で送る必要がある場合は、ZIPではなくPDF自体にパスワードを設定し、パスワードはチャットや電話など別の経路で伝えるようにしましょう。
注意点3.法人は7年間・個人は5年間の保存が必要になる
PDF請求書を含む電子取引データには、法律で定められた保存期間があります。
区分 | 原則の保存期間 | 備考 |
法人 | 7年間 | 欠損金の繰越控除適用時は10年間 |
個人事業主 | 5年間 | 消費税課税事業者は7年間推奨 |
注意したいのは、保存期間の起算点です。請求書の日付からではなく、「事業年度の確定申告提出期限の翌日」から数えるため、実質的にはもう少し長く保管することになります。
フォルダを年度ごとに分けて管理し、誤って削除しないようバックアップを取っておくと安心です。
総じて、PDFでの請求書の発行は、ルールを守れば問題なく運用できます。紙に比べるとコストは下がりますが、より効率化を図るなら請求書発行システムを導入してしまうのも一つの手です。
例えば、NTTファイナンスが提供する「回収代行サービス」は、請求情報をご準備いただくだけで、NTTファイナンスが代わりにエンドユーザーへ請求するサービスです。PDF作成そのものの負担を軽減できます。
また、一般的な請求システムでは「請求書の発行にとどまる」こともありますが、本サービスは入金の有無をエンドユーザー単位で自動判別し、消込まで反映できるため、日々の入金照合作業の負荷軽減に役立ちます。
BtoB・BtoCのどちらにも対応できる「回収代行サービス」について、詳しくは下記のボタンをクリックのうえサービス資料をダウンロードしてご確認ください。
\適格請求書のフォーマットにも対応可能!/
ここまでは「発行側」のメリットをお伝えしましたが、請求業務の効率化を真に進めるには、自社が請求書を「受領し、保存する」工程にも目を向ける必要があります。せっかく発行をPDF化して効率化しても、自社が受け取る請求書がバラバラでは、確認・支払い・保存作業などの負担軽減にはつながりません。
したがって「受領の業務設計」まで含めて考えるのが、請求業務DXの近道です。次の章で「請求書の受領・保存」業務を効率化できるおすすめのサービスを紹介します。
請求業務を効率よく進めたいなら「法人"ビリングONE"」もおすすめ

「受領・保存」業務に関しても効率化したい方には、NTTファイナンスの「法人"ビリングONE"」がおすすめです。
「法人"ビリングONE"」は、支払期限が異なる通信費や公共料金などの請求書をNTTファイナンスが一度立て替え、その後にお客さまへ一括請求するサービスです。
複数の拠点ごとにバラバラ届く請求書や、支払期限が異なる請求書を1通の電子請求書(紙請求も可)にまとめることで、複数のPDFを開封・保管する負担が解消され、支払処理を月1回で完結させることが可能です。
初期費用 | 0円 |
月額費用 | 要問い合わせ |
PDFから情報を読み取って手入力する手間も不要です。一括請求されたデータをCSV形式でダウンロードして自社の会計システムへ一括インポートできるため、仕訳作業の大幅な自動化・効率化が実現します。
クラウド上で一元的な管理ができる「法人"ビリングONE"」の詳細は、下記からサービス資料をダウンロードのうえご確認ください。
\請求書の受領から管理・支払いまで完全自動化!/
請求書のPDF送付は正しく実施すれば効率アップにつながる

【本記事のまとめ】
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請求書をPDFにして取引先に送付するのは、法的に問題ありません。紙を使用する必要性がなくなり、多くの事業者にとってメリットが大きいといえます。
もちろん、取引先によってはいきなりPDF化すると困ってしまう可能性があるため、事前に報告しておき、お互いにとって効率化できる方向に進めていきましょう。
毎月必ず発生する請求業務だからこそ、システムの導入で効率化を図り、業務にかかる負担を減らすのがおすすめです。
下記の記事では、システムの導入で効率化したい方に向けておすすめの請求書発行システムを紹介しています。失敗しない選び方も解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。







